つまらなそうに仕事をする社員が発しているメッセージが分かるか?

リーダーの人間観がメンバーの成長を決める

人材育成の成否を決める決定的にして根本的な要因は「人間観」だと考えています。
人間をどう観るか?ということ。
1、人にはそもそも成長意欲があり積極的であり自律的であると観るか?
2、人は管理・監視しないと真面目に働かないと観るか?

当然、1の人間観の方が人は良く育ちます。
人間に対する信頼があれば任せることができ、任されたことでより良く育ちます。
人は上司の指導で育つのではなく、本質的には、自分で考え行動したことで育ちます。
任されると自律的に成長しますし、仕事が楽しくなりますからヤル気が自家発電されます。
リーダーは管理業務が少なくなり本来の仕事に集中できます。

一方、人間に対する不信頼が心の奥にあると管理が細かくなります。
時として脅しのマネジメントをします。
「このままでは雇用を守ることができなくなる」なんて言うのです。
また、情報をオープンにすることはありません。
情報を読み、正しい判断をすることなんてできないと思っているからです。
ヘタに判断されたら収集がつかなくなるという恐れもあると思います。

するとメンバーは「信頼されていない」と感じヤル気を失いますし、任されないからいつまで経っても一人前にはなりません。一人前にならないから、より管理が強まります。

リーダーの人間観が職場の環境をつくり、環境によってその先の成長が決まってくる…好循環にも悪循環にもなるというわけです。

卵が先か鶏が先か?というような話ですが、僕は人間観を修正することが近道だと考えています。
その方法は、人間を知ることだと考えます。

メンバーの否定的な言動すら積極性の表れである

僕は赤ん坊を見るたびに人間の本質を改めて確認します。
多少の個人差はあれど、大人と比べると奔放ですよね。
よく喋るし良く泣く。
興味を持ったものにはまっしぐら。
注意されても自分の意思を貫き通す…
良く言えば奔放だし悪く言えば衝動的ですが、本質は積極的で自律的、成長意欲の塊だと思います。

これが自我の発達が次の段階になると「良い子」を演じられるようになります。
親が望むようにできるのです。
しかし、同時に衝動を抑えますので心の中に抑圧した感情が溜まります。
さらに反抗期になると、時に訳の分からない強い主張をするようになります。

僕は2人の子どもがいますが、育つ過程を見てきて人間の本質を知りました。
僕が社長になりたての頃(結婚前)は、どちらかと言うと不信頼のタイプでした。
人間観が変わったのは子どもたちのお陰だと思っています。

すると、社員さんの態度が反抗的でも否定的でも、積極性と自律性の表れだと捉えられるようになりました。

例えば、ヤル気がなく、つまらなそうに仕事をする社員がいた時に、その社員は仕事がつまらないのではなく、そんな自分をつまらないと感じているということが分かりました。
自分の事をつまらないと感じるのは成長意欲がある証拠です。

また、反抗する社員がいると、まずは「この野郎」と思いますが(笑)、心が落ち着くと、そのエネルギーは凄いなと思うようになりました。
僕にぶつけるエネルギーを仕事に投入したらすごい事になりそうだと思ったのです。

社員の言動を人間の積極性・自律性に結びつけて考えると僕の人間観はさらに変わって行きました。

世の中には様々な人材育成ノウハウがあります。
様々な業務効率化のシステムがあります。

それらが役に立つも立たないも、基本的な人間観次第だと考えています。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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