表彰制度はやり方によっては社員の自発性を破壊する

表彰制度が社員の自発性を破壊してしまっているケースがある

表彰制度を行っている会社は多いと思います。
優秀な社員さんを皆んなの前で称えることで、本人の頑張りに報いるとともに、他の社員に刺激を与えたいという意図があると思います。

しかし、一方で表彰制度がマンネリ化している会社も多いと聞きます。
マンネリの原因は、いつも同じ人が表彰されていたり、多くの社員が「別に表彰されなくてもいいや」と刺激策に慣れてしまうのです。

さらに、表彰制度が社員の自発性を破壊してしまっているケースもあります。
それならやらない方が良いですよね。

どうして破壊されるかというと、「評価する側ーされる側」という構図があると、評価者のコントール下に置かれてしまうからです。
社員が何かやろうと思った時に、評価を気にするように仕込まれてしまうから。

評価者ではなくお客様に意識を向けて行動して欲しいですよね。

望ましいのは、100%自らの意思と考えで決め、判断し行動することです。

意識を向ける方向が変わってしまい、評価されるかどうか?が行動原理になる、これが自発性の破壊です。

表彰制度が人事制度と連動している場合…昇給や昇格、昇進に影響する場合はなおさら悪影響が大きいと考えます。

人の自発性が伸びるためには…
1、自ら決める
2、行動する
3、小さくても良いから、実感できる成果を掴む→次も良い結果を出そうと考える(1に戻る)

これを繰り返すことです。

自立した人間ほど自分の仕事の成果で自分を評価する

僕が昨年にお邪魔したある会社では社員さんの自発性が素晴らしく育っていました。
社員数400名を超える会社でしたが、経営と労働者の区分が非常に曖昧になっていました。
通常、経営側が意思決定し、それを労働者が遂行するという構図になっていますが、社員さんが決められることが非常に多いのです。

社員さんにインタビューをしたのですが、社員さんが熱く語るのでメモを取るのが大変でした。
というか、途中でメモを止めてしまった。
内容、事実よりもエネルギーを観たほうが良いと思ったからです。

終わってみて気付いたのですが、あの時間はインタビューというよりも、社員さんの自慢話を聞く時間でした。

これは指示ゼロ会社でよく見られる光景です。
それもそのはずで、自分で決めて行動した成果ですので本人は誇りに思うからです。

さて、インタビューの中で非常に興味深い話がありました。
それは今日のテーマである表彰制度に関することです。

インタビューをさせていただいた社員さんが「表彰制度を廃止したいと幹部にお願いしている」とのことです。

その理由に察しがついたのですが、突っ込んで聞いてみました。
理由を要約すると次のようになります。

「自分たちで決め、納得してやっていることを評価されると気持ち悪い」

評価にはコントロールの意図があります。
その匂いがして嫌だというのです。
これは自立した人の特徴です。

僕にも経験があります。
僕が経営してきた会社では忘年会の時に表彰をしていましたが、指示ゼロ経営になってから社員から廃止の提案を受けました。
「偉そうに他人を評価しないで」いう雰囲気が伝わってきました。

自発性が本当に育った会社から表彰制度が消えていくし、コントロールの意図を含んだ表彰制度は社員の自発性を阻害すると考えるのです。

感謝の気持ちを伝えるだけで良いのではないでしょうか?

表彰をするなら上が決めずに、皆んなの投票で決めるのが良いと思います。

それでは今日も素敵な1日を!

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