会議で部下が発言しない時の、馬鹿馬鹿しいくらい単純な対策

部下が会議中に黙って下を向いている…どうも積極性が足りない、そう感じているリーダーも多いと思います。
勿論、メンバーの性格によるところもありますが、黙っている人が多いのには何か原因があるはずです。

僕は、部下が悪いわけじゃない、リーダーが悪いわけじゃない…
「環境設定」が悪いと考えています。

人の行動は環境設定で決まる

環境設定とは、人の行動を決定づける環境を言います。
例えば、臓器提供を呼びかける「意思表示カード」があります。
実際の調査結果なのですが、ドイツでとオーストリアを比べると、オーストリアの方が10倍近くの人が承諾しています。
お隣の国でこれだけの差です。

何が違うのか?
宗教や文化、教育、メディアの啓蒙か?

実は書面の書式に原因があったのです。
ドイツでは「承諾する人は□にチェックを入れてください」と書いた。
オーストリアでは「承諾しない人は□にチェックを入れてください」と書いた。

これだけの違いで10倍の差が出たというわけです。
人の行動ってそんなものなんですね…

環境を変えただけで行動が変わる…これが環境設定の妙です。

では、会議中に黙っている部下が多い…黙ってしまうような環境設定とはどんなものなのでしょうか?

勿論、全てのケースに当てはまるわけではありませんが、多くの場合、こんな事が起きていると思います。

喋らない部下を見て、上司が「自分が何とかせねば」と思う→上司が喋る→部下は「上司が解決してくれる」と依存する→それを見た上司が「自分が頑張らないとダメだ」と思う→より依存する…

悪循環を生む環境設定ですよね。

これを皆んなが発言する環境設定に変えるにはどうすれば良いでしょうか?

リーダーは、部下の誰かが喋るまで黙っている

ダンマリの状態を打破するのは簡単です。
まず行うべき環境設定は「この場は間違ったこと、ズレたことを言ってもOKだ」「変な発言だな〜と思っても、絶対にバカにしてはいけない」という宣言です。

そして話し合いが始まったら、リーダーは、部下の誰かが喋り出すまで黙っていることです。
人の集団は不思議なもので必ずと言っていいほど、真っ先に手を挙げる人…イノベーターが現れます。
試しに黙っていてみてください。
僕の経験では100%現れています。

ただ、現れるまで長い場合3分ほどかかる場合もあります。
沈黙に耐えきれずリーダーが喋り出したら元の木阿弥です。
3分って想像以上に長いですよ。

さて、現れたイノベーターはどんな動機で動いたのでしょうか?
実は、非常に多くの場合「義務」で動きます。
沈黙に耐えきれず喋り出すのです。

その時に、発言に続く人がいないとイノベーターは苦しくなりますよね。
それを緩和するのが、リーダーのアイコンタクトと頷きです。
発言した部下の方を真剣なまなざしで見て、首を縦に振ります。

これだけで発言がしやすくなります。

それでも続く人がいなければ、リーダーは「他に意見はない?」と周りに振ります。
時には「◯◯さん、何かないですか?」と名指しで聞くのも良いと思います。

それでも続く人がいなかったら「これでは勇気を出して発言した◯◯さんが辛いよね」と言います。

するとイノベーターをサポートする人が出ます。

サポーターが発言したら同様にウンウン頷く。

馬鹿馬鹿しいくらい単純ですが、こうして発言できる環境設定が出来上がります。

会議は企業の未来を決める一大事です。
なぜなら、良いアイデアが出なければ、その先に努力のしようがないからです。
エジソンは「1%のヒラメキと99%の汗」と言いましたが、ヒラメキがなければ汗のかきようもないですよね。

会議がちーんとしているのは部下が悪いわけでもリーダーが悪いわけでもない。
環境設定の改善で良くなるはずです。

それでは今日も素敵な1日を!


【現在受付中のセミナー】

■脱人材不足!自発的な人材が集まる採用術セミナー
「働きがいを求める人材を多く集める」→「採用試験で自発性と成果意識が高い人材を見極める」→「既存の社員も育つ」
この一連のプロセスを通じ組織の底上げを狙います。
・9/18(水)大阪開催
・9/25(水)東京開催


■指示ゼロ経営 出版記念講演
・9/7名古屋開催 対談ゲスト:武藤 花緒理氏