課題解決力の育成の前に「課題に気づく力」を。
企業が人材に求める能力の上位には、常に「課題解決能力」がランクインします。
これまでは、リーダーに求められた能力ですが、変化が激しい時代では現場レベルでも必要な能力ということです。
日々、現場が自律的に改善活動を積み重ねてくれれば、気づけば組織は見違えるように成長しているでしょう。
とまあ、喉から手が出るほど欲しい能力ですが、それを育てるためには前提として次の2つの力が求められます。
「理想を設定する力」
「課題に気づく力」
の2つです。
課題解決能力とは、現状と理想のギャップを埋める能力のことですので、理想なきところに解決も何もありません。
同じく、課題に気づく力なきところに策も生まれません。
昨年、ホワイト企業大賞の審査で伺った企業の担当者が、まさにこのことを力説していました。 同社で、ある社員が、部品の収納棚の位置を変える提案をしたことがありました。
その理由は、棚を使う作業グループが3つあるのですが、現在の位置は2つのグループから遠く、移動に30秒ほどかかるからです。
一回あたりの時間は大したことがなくても、年間で換算するとものすごい時間をロスすることになりますし、移動距離が長いと事故が起きる可能性も高まります。
この話を「へぇ、そうですか…」と聞き流しそうになりましたが、よく考えると凄いことです。普段から当たり前に行っていることに「実は不便なのでは?」と疑問を向けることは非常に難しいからです。
きっと、私たちの日常には、不便と気づかず、当たり前に行っていることが山ほどあると思います。
同社では「作業は楽に安全に」という理想を掲げ、日頃から改善活動に力を入れています。
課題に気づくトレーニングはどのように行えば良いのでしょうか。
その1つの方法として、以前に、某外資系ホテルの日本支社長の講演会で教えてもらった方法をシェアしますね。
支社長は、講演の冒頭で「セブンイレブンのロゴの『ELEVEn』の最後の『n』だけが小文字になっているのを知っていましたか?」と聞きました。
気づいていましたか?
画像を貼り付けようと思ったのですが、実際に最寄りのセブンイレブンで確認してみてください。
ほぼ毎日のように見ており、これまでに何千回と見てきたはずなのに…
初っ端からジャブを食らった感じでした。
気づく力は、意識的にアウトプットすることで養われると言います。
例えば、「朝、家を出てから会社に入るまでに、いつもと違ったことはなかったか?」というテーマで、朝礼などで話し合うのです。
「いつも同じ車両に乗っている学生が今日はいなかった」などという意見が出るでしょう。
朝礼で発表しなければならないとなると、日頃からアンテナを張るようになり、やがて習慣化するというのです。
同時に、気づいた人を表彰することも有効だと言います。 組織が求める人材層、能力がどんなものか分かってもらえるからです。
時間はかかりますが「実践→発表→表彰」の繰り返しで課題に気づく能力が確実に養われます。
もし「改善が進まない」という悩みをお持ちなら、その背景には理想と気づきの欠如があるかもしれません。
是非チェックしてみることをオススメします。
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