「承認」が希少になった時代の経営
いつの時代も「希少なもの」に価値が置かれます。
昔はモノが希少だったが、その代わり希望がたくさんありました。今は、モノが過剰で希望が希少になりました
だから、希望を語るリーダーのもとに人が集まるのです。
「希少」という視点で世の中を見渡すと、世界の構造がよく観え、そこにビジネスの機会があることに気づきます。
今の社会で希少価値が高いものは「承認」です。
だからこそ承認欲求モンスターが現れるわけです。
彼らはSNSなどで過剰に自己アピールをして注目を集めようとしますが、その背景には、他者との比較から生まれる劣等感があると言います。
だから「いいね」の数を比較して落ち込んだりするわけです。
承認が枯渇する原因は何でしょうか?
調べたら、核家族化の進行が主な原因だという興味深い社会調査に行き着きました。
世知辛い世の中では、本来、子を癒やすべき存在である親が、例えば受験などで子どもを追い込む急先鋒になりがちです。
それをカバーしてくれるのが祖父母です。
祖父母と一緒に暮らした経験がある方は分かると思いますが、祖父母って、いい意味で無責任に孫を承認するんですよね。
核家族化が進み、その存在を失ったことで承認が希少になったと考えられているのです。
「自己責任論」も承認が希少になったもう1つの原因とされています。
急に自己責任という言葉が喧伝されるようになったのは、おそらく2000年代初頭だったと思います。
自分の責任で挑戦しようという風潮は悪いことではありませんが、一方で、決定的な負け組を生む危険性をはらんでいます。
大昔、身分制度があった時代では、人々は、自分より身分が上の者に嫉妬することはありませんでした。「生まれが違うのだから」と割り切ることができたからです。
それが、機会が平等に与えられている現代では、すべてを自己責任で収めるしかなく、挑戦できなかった人、挑戦に敗れた人は強い劣等感を抱くようになりました。
雇用形態の変化も承認が希少化する原因と言われています。
2019年に、当時の経団連会長である中西宏明氏が「正直、産業界は終身雇用はもう守れないと思っている」と述べ、それを受け2023年に政府が日本型雇用慣習の見直しを閣議決定しました。
職業は自分を承認してくれるアイデンティティの1つですが、それが土台からグラつく時代になってしまったのです。
いつの時代も「希少なもの」に価値が置かれます。
承認の希少価値が高騰しているならば、「希少な存在になる」ことを狙うべきかもしれません。
あなたの組織では、顧客に対し、社員に対し、どんな承認を与えることができるでしょうか。
その問いの先に繁栄のヒントが隠されているかもしれません。
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