組織の破壊者は「被害者」の仮面をつけてやってくる。

職場内に衝突が起きることは決して悪いことではありません。
それだけ本音で対話ができるということで、むしろ歓迎すべきことです。
むしろリスクは、衝突の後に「自分は被害者。相手が加害者」という構図を作る人が出ることです。
そういう人が出ると非常にやっかいで、放置すると組織崩壊を引き起こす危険すらはらんでいます。

被害者と加害者の構図をつくるのは、悪い意味で「生きる知恵」なんですよね。
どういうことかと言うと、被害者は立場上、強いんです。
「あの言葉で傷つけられた」「悲しい思いをした」など、本人が感じたことは誰も否定できません。そう言われば、相手には反論の余地はなく、一瞬で加害者にされてしまうのです。

被害者ポジションは、最初に言った方が有利ですので、とにかくアクションが早い。
そして、自分が被害者であることを周りの仲間にも認定して欲しくて、色んな人に「相談」という形で振りまくことがあります。

するとどうなるでしょうか?
密室でのやり取りが増え、組織が分断します。すると、加害者にされた人も、恐れから自分の仲間が欲しくなり、負けじと密室会議を行うようになるかもしれません。

書くだけで気分が滅入るので想像にお任せしますが、これを繰り返した組織の顛末は悲惨なものです。

被害者ポジションを取るのは「生きる知恵」ですので、あなたの職場にも、トラブルが起きるとそうなる人が出ると考えた方が良いと思います。

防止対策はあるのでしょうか。
人間が絡むことなので、こうすれば絶対に防げるという対策はありませんが、効果的な方法はあります。

それは
・衝突した際の相談窓口をつくる。
・中立の第三者を交え、当事者同士が話し合う。

まずは相談窓口について。
相談窓口がないと、色んな仲間に相談を行い、自分が被害者であることを流布しますので、窓口が必要です。窓口は上司が理想ですが、上司にコミュニケーションスキルがない場合は別の人でもOKです。

相談を受けたら、中立の第三者を交え、当事者同士が話し合います。
その際、司会は冒頭に「初期設定」を行います。
それは「司会は中立であることの宣言」と、「当事者は双方とも会社を良くしようと思っている」という前提の確認です。両者とも会社を良くしようと思っているが、そのやり方で対立しているのです。

司会は自分の考えを述べず「壁」の役割に徹します。
当事者同士が対峙すると、ますます衝突してしまうので、司会が質問を投げかけ、司会を介し対話のキャッチボールを行います。

司会者の心得は次の2つです。

・結論が出なくてもよしとする。
・ジャッジをしない。

人は期限に追われると、無理に結論を出そうとして間違ったジャッジをすることが多いという研究があります。この場で結論が出なくても良しとなれば、無理なジャッジも生まれません。和解しなければ次の機会に譲ってしまいましょう。

相談窓口を設けると、衝突が起きるたびに、いちいち相談に来ると危惧する人がいますが、そんなことはありません。
上司は審判ではなく司会ですので、結局は自分たちで話し合い解決するしかありません。やがて衝突しても遺恨を残さないようなコミュニケーションスキルを身につけるでしょう。

というわけでは、今日のブログは「衝突後の修復力」ということで、是非、社内で共有してください。
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