優れたリーダーが部下との対話で話題にする3つのテーマ

優秀なリーダーの時間割を調べると、部下とのコミュニケーションに多くの時間を割いていることが分かります。
一方、残念なリーダーは、書類や資料の作成時間が多い傾向があります。
よく「リーダーは部屋に閉じこもっていないで現場に出ろ」と言われますが、これは何も作業をしろということではなく、対話の重要性を説いるのだと思います。

特に、変化に対応し自らをアップデートすることが求められる時代では、対話の重要性は増します。

優れたリーダーは部下とどのような対話をしているのでしょうか。
大きく分けて3種類あります。

1、冒険へ誘う対話
2、冒険のストレスを緩和する対話
3、冒険の勢いを加速させる対話

この3つは、組織論の組織変容の鉄板プロセス…「解凍」「混乱」「再凍結」に対応します。

1つ1つ見ていきましょう。
まず「解凍」ですが、これは、これまで馴染んできた方法などを手放し、変化の準備を整える段階です。要するに「冒険へ誘う」ということですが、ここでは、冒険のメリットとともに、冒険しないことのデメリットも伝える必要があります。
対話は、何度か行う必要があります。なぜならば部下は、一度説明を受けただけでは心の整理がつかないからです。
この対話が不十分だと、部下は日和ったままスタートラインに立つことになり、後になり労を費やすことになります。

「混乱」は文字通り、新しいことを始める際の混乱です。これまでの習慣や仕組みを変える際にはトラブルがつきもので、精神的に大きな負荷がかかります。特に第一段階の「解凍」が不十分だと「やっぱ以前の方が良いんじゃないの」という声が上がることもあります。
「混乱」の段階での十分なケアが欠かせません。
企業によっては、保健室的な相談窓口を設けているところもあります。

最後の「再凍結」は、冒険が実を結び始めた段階です。ここでは、成功事例を共有するなど、「冒険は間違っていなかった」と安心感と希望を持ってもらえるようなコミュニケーションが必要です。
僕が経営してきた新聞店では、この段階で社内報を活用しました。


中吊り広告風社内報「米沢自身」

現場での実践事例を頻繁に社内に報せることで冒険が加速します。ちなみに現場での実践は、直属の上司から「良い告げ口」として僕に上がってくるのです。
いつもポッケに付箋が入っていて、さっと書いて僕の机に貼るという簡単な方法をとります。

社内報を見た社員は、直属の上司に対し「社長に伝えてくれたんだ」と感謝の気持ちを抱きますよね。社内の人間関係も良くなるという、一石二鳥の方法なのです。

いかがでしょうか。
業務を管理し、数字を追いかけるだけのリーダーは時代遅れだと思います。
リーダーには、部下と共に冒険を歩むという意識を持ち、現場に出て十分な対話を重ねることが求められます。
さらに言えば、最高のリーダーは、自分が伝えたことをもとに、部下同士で対話させています。
そうすることで「学習する組織」へと育つからです。

リーダーの時間割に、部下と向き合う時間がどれだけ刻まれているか? 部下の時間割に、仲間との対話がどれだけあるか?…繁栄の指標といえるのではないでしょうか。
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