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社員のヤル気と自発性が高まる給与と賞与の出し方

賃金は働く動機の上位に来るもので、出し方1つで社員のヤル気が高まることもあれば破壊してしまうこともあります。
チームワークが向上することもあれば過度の競争意識でチームがバラバラになることもあります。
とても慎重に扱う必要があります。
どんな出し方が良いのか?
今日は、その基本的な考え方と方法について書きますね。
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賃金のルールは存在感が薄い方がいい

まずは基本的な考え方から。
賃金が社長の武器になっているとチームのパフォーマンスが落ちる危険性があります。
社長の下僕になってしまうと行動原理が「社長に気に入られる」になっちゃうよね。
社長に評価されないことはしないから「社長の限界=組織の限界」になってしまいます。

チームで協働する最大のメリットは、多様な知恵が集まり彼らが自発的に学び合ったり助け合ったりする事で1人じゃできないことを実現することだから、社長の評価を気にせずいかに自分たちの意志で行動するかが大切になります。
評価を気にすべきは社長ではなくサービスを受ける人。
「社長に嫌われないようにものを言わない」では集団が活性化するわけがありません。

なので賃金を社長の武器にしてはいけないのです。

じゃあ、どういう考え方が良いか?ということですが、僕はこのように考えています。
「制度としてそこにある」…その程度の存在感が理想だと考えます。

よく「儲かったら儲かっただけ社員に還元する」と言う社長がいますが、それって安心できないですよね?
社長を疑っているってわけじゃなく「どれだけ儲かったら、どれだけ還元されるか」のルールがなければ安心できない。

だから、そのルールを創ることが大切なのです。
社長の武器ではない、そこにあるという程度の存在感で。

総額の人件費は労働分配率から算出する

「どれだけ儲かったら、どれだけ還元されるか」のルールは「売上総利益(粗利益)」から算出します。
よく売上から算出している会社がありますが、売上は当てになりません。
社員の賃金を含む固定費は粗利益から出るからです。
どんなに巨額の売上をあげても肝心の粗利益がなければ出せないものは出せないって話ですよね?
売上を根拠にすると、安売りしてでも売る、経費をかけてでも売るといった会社にとってデメリットな方法を取る危険性があります。

それを言葉で説得しても限界があります。
それをすると自分たちが損をするという現実をつくることです。

売上総利益から算出する方法に関しては以前の記事を参考にしてください。
「社員の自立と自発性を促す賃金の出し方」

売上総利益から社員全員の総額人件費を決める方法です。
例えば、売上総利益が1億円だったとします。
で、労働分配が50%だとすると、総額人件費は5000万円になる。
社員全員の月々の給与の総額が3500万円、法定福利費が500万円だったとすると…
5000万円−3500万円−500万円=1000万円が全社員の賞与の総額になります。

これをみんなで分配するのです。

さらに、決算の時に、必要以上にストックする必要はないから、必要分を超えた部分を決算賞与で出してしまうことです。

では、次に賞与の総額(例では1000万円)をどのように分配するかを考えます。

社内に協働の雰囲気を創る賞与の出し方

分配の方法を間違えるとチームワークが破壊されてしまいます。
限られた原資の奪い合いにならないようにすることがとても大切です。
奪い合いになった場合のデメリットは今の時代、非常に大きいです。
チームで協働し、学び合ったり支え合ったりすることで生まれる創造性が阻害されるから。
以前の成長期・順風が吹いていた時代では一部のデキる社員が全体を牽引しましたが、今は1人じゃできないことだらけです。
逆風の時代では「三人寄れば文殊の知恵」の状態を創り、集団から素晴らしいアイデアを引き出すことが求められます。
それが一番組織にとって得だし、結果的に社員1人1人が得をすることになります。
自分だけが勝ち上がるという風土の組織は集団の知恵が衰えるから、結果的に誰も勝てないという悲しいことになります。

ここに評価制度の限界があります。
限られた原資の中から自分が多く獲るためには、自分よりダメなヤツが必要だからその人に知恵を教えることはなかなかしないよね。
でも一方で「やった人とそうでない人に差がないのは不公平だ」という声もあり、それはその通りだと思います。

これを解決する方法は2つあります。
1つは、ちゃんとチーム力向上のために全体に貢献したかを細かく評価することです。
自分は成果を上げたから良いやという人が評価されない仕組みをつくる事です。
しかし、この方法の欠点は、チームへの貢献行動は多種多様で、それを全てラインナップする事が困難ということです。
見えないところで貢献している人は結構多いのですが、それらを表面化するのは無理があります。例えば、落ち込んでいる仲間を飲みに誘って悩みを聞いたという行動は、すごく効果があるのですが、それを翌朝上司に報告するってすごく変ですよね?(笑)

もう1つの方法が現実的です。
それは、社員みんなが「みんなよくやっている」と言える状態をつくることです。
そもそも、みんな社員間の競争は好きではありません。
ほとんどの社員が「みんなよくやっているよ」と言える状態を望みます。
みんなが望んでいるならその状態はつくれます。

「ウチは相対評価はしないから、その代わり、みんなができるように、互いに学び合ったり、もし怠けている人がいたら注意し合う」という認識をつくることです。
上司の目はごまかせますが仲間の目はごまかせませんから、みんな一生懸命になります。

それをせずに怠ける人がいたら「評価制度が必要じゃん」って話になります。
しかし、それを社員が望んでいないので、みんなしっかりやってくれます。

繰り返しになりますが、1人1人が最も得をする方法は、組織が繁栄することです。
それが真に理解されることが大前提ですが、社員間の叱咤激励ち学び合いは活性化します。

賃金を社長の武器にしない、そこにあるという程度の仕組みを置く、そして競争を煽るような分配をしないこと…どうせ賃金が発生するならみんなが得をする方法をとりたいですよね。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

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