社員のサボりや不正をなくすための監視より効果的な方法

社員や上司の目を盗んでサボる、不正を働く…そんなことが起きたら悲しいですよね。
その防止に様々な策が練られますが、その多くは徒労に終わっています。
どんなに管理、監視を強化しても抜け穴はあるからね。
さらに、監視には大きなコストが必要ですので決して得策とは言えないと思います。

監視をせずに、どうすればサボりや不正がなくなるのか?…今日はそんな記事です!

ダイドーのレンタル傘はなぜ返却率が高いのか?

先日、ネットで面白い話を目にしました。
「傘は天下のまわりもの」ということで、福井市の女子高生らが慈善活動で「愛の傘」という傘の無料貸し出しサービスをしていたそうです。
「していた」と表現したのは今はしていないからです。
返却率がすごく悪く活動に終止符を打たざるを得なくなったそうです。
この話を聞いた多くの方が「日本人のモラルは地に落ちた」とネットに書き込みをしていました。
てか、女子高生たちの教育に悪いよね…

その一方で、ダイドーの無料レンタル傘は返却率が7割を超えているそうです。
2015年から始めたこのサービスは、ダイドーの自販機に傘が入ったボックスがついていて自由に持っていける仕組みになっています。
返却率が7割を超えることについて、ネット上のコメントは「やはり日本人の道徳心は高い」というのが大半でした。
どっちなの?って感じですが、その要因を同社はこう分析しています。

まず、傘の品質が高いこと。
返さないと罪悪感を感じるほどしっかりした傘であることが高返却率の要因の1つだと考えているのです。
そして、一番大きな要因は傘に「DyDo」のロゴが付いていることです。
誰の目にも「あの人、利用したな」と分かる…つまり、人の目を気にするからちゃんと返すというわけ。
的を射ているし、人間の本質が見える分析だと思いました。

もともと日本は村社会です。
変な事をする人が出ないように、互いに監視し合うことで安心を担保してきました。
だから、コミュニティの目がある時…災害の時の配給は並ぶことができる一方で、コミュニティから外れた旅では「恥のかき捨て」ができてしまうと言います。
(参考文献:日本の「安心」はなぜ消えたのか? 山岸俊男 著)

この話を聞くと「サボりや不正をなくすためには『みんなの目』を活用すれば良いのか?」となりがちですが、そうではないと僕は考えています。

その理由は監視は「しない」ことには効果的ですが「する」には弱いからです。

信頼で成り立つ集団はコストは低減されるしクリエイティブにもなる

村社会では、変な行動を「しない」ことを促しますが、同時に斬新なことを「する」ことも妨害してしまいます。
村社会的な企業って「みんなと同じ」を最優して、飛び抜けることを嫌いますよね。
だから変われない。
時代に取り残されてしまいますよね。
時代が大きく変わろうとしている今、そんな風土では生き残れないと思います。
「しない」ではなく「する、やる」を促す風土が必要だよね。

だから「信頼で成り立つ」という風土に変える必要があると考えるのです。
1人1人が独立した個性的な存在でいる、でも1つの目的・目標に向かい繋がっている集団です。
指示ゼロ経営的な集団ね。

この風土はジャズのジャムセッションに似ていると思います。
ジャムセッションはプレーヤー1人1人が自由に演奏します。
楽譜はなく、基本的なコード進行だけ決めて演奏に入るのですが、最初はぎこちないんだよね。でも時間が経つと、だんだんと息が合ってくるんです。
1人1人の個性が最高に発揮されながらも全体が調和する、その時のグルーブたるや鳥肌モノです。

非常に創造性を発揮する集団のあり方ですが、これって互いの信頼関係で成り立つカタチだと思います。

そんな風土では変な不正は少ないと思います。
なぜなら、みんながその風土を愛するからです。
安心を監視が確保してくれる村社会とは違い、1人1人の行動に責任が生じるからです。
大切なものを傷つけたりしないと思います。
監視にかかるコストも低減されます。
絶対とは言えませんが「しない」が抱えるリスクよりも「する」で発生するリスクを取る時代と考えています。

もし、自社が村社会的な集団であれば、それを変えるのは容易なことじゃないと思います。
でも、変えられるのは社長の決断しかありません。
創造的、建設的な破壊を社長自ら起こすことだと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

 

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