生産者の人柄や思いを語ると売り込まないのに売れる

販売に携わるすべての人は、商品・サービスの生産者、製造者に会った方が良いと思います。
メーカーの人間という意味ではなく、その開発、生産、製造の担当者です。

その理由は、思い入れが生まれるからです。
あなたと同じように、思いがあって仕事をしている人が多く、それを直に見て、話を聞くと「お客様に伝えたい」と思うはずです。

僕が尊敬する、尼崎市にある小林書店さんの小林由美子さんがそれを徹底的に実践しています。傘がよく売れることで有名な書店なのですが、扱うキッカケは傘メーカーの社長との出会いでした。
直接面会したわけではなく新聞紙面を通じ知ったそうですが、その思いに感動し取り扱いのお願いをしたそうです。
書籍もそうです。
書籍の内容は勿論ですが、著者がどんな人かを熱く語ります。
詳しくは過去の記事を読んでね。

「セールスは、大切な人に友人を紹介する行為と同じである」

そうなると販売が変わります。

接客中に出る話は商品の内容が1割、生産者、著者についてが9割なんです。
だから、まったく売り込みをされている気持ちにならず、思わず感動して買ってしまう。

僕が扱う新聞も同じだと思いました。
普段、月に1回、新聞社の営業の方が会社に来られますが、そこでは「いかに売るか」の話しかしません。
だから、僕は新聞が、誰がどのような思いで作られているか知りませんでした。

それが、昨日、毎日新聞社の会議のついでに編集の現場を見学させていただきました。

15時、翌日の紙面構成を話し合う「編集会議」があり、運良くその現場を間近で見ることができました。

凄いですよ。
密室ではなくフロアの真ん中に置かれたテーブルに各デスクが座り、その日の取材で得たネタを発表します。
座りきれないのでまわり立っている人もいます。
そこで、1面を担当する責任者(これが若い方)が方針を決定します。

「トップはこのネタ。2番目はこれ」とテキパキ決めていく。

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異論が出ることも多く、揉めに揉め、激論になる事もしばしばだそうです。

僕も、関係者のような顔をして輪に入りました(笑)

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さらに、「校閲」という出来上がった原稿に誤字脱字がないか、虫眼鏡でチェックする専門係がいるんです。
僕のブログは絶対に読ませたくないわ(笑)

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恥ずかしい話ですが、この商売を20年もやっていて、こんな思いで作られていることを初めて知りました。

そして、やっぱり思った。

「これをウチのお客様に教えたい」そして「社員にも見せたい」と。

今は、商品・サービス自体に差異がない時代ですから、どの企業も懸命に差別化を図ります。
特別な機能をつけたりアフターケアなどをがんばりますが、それもすぐにマネされてしまいます。
最終的な独自性は「誰が売るか?」…人の個性だと考えますが、そんなあなたが伝える「作り手の思い」はお客様にとって特別な「買う理由」になると思います。

だから、生産者、製造者に社員を連れて会いに行こうってわけ。

「モノではなく人に焦点を当てる」

人とはお客様だけでなく自分や製造者も含まれるのだと実感した1日でした。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!