その問題、本当に社員教育で直りますか?

「自発性が足りない」「チームワークが悪い」「決めたことが実行されない」「実行しても、気づけば無かったことになっている」
…そんな時、つい社員を教育・指導したくなるものですが、その前に「本当にその問題は、社員の問題なのか?」「社員をトレーニングすることで解決するのか?」と疑ってみることが大切だと考えています。
実は、よく分析すると、問題の根本原因は別のところにあるケースが多いんですよね。

その多くは「構造」の問題であり、その構造を作っている経営陣の認識に問題の根があることが多いのです。

今日の記事では、そんな構造の不備と対策を紹介しますので、チェックに使ってください。

❚ そもそも人間関係ができていない。
人間関係ができていないと、基本的な報・連・相が滞り、ミスが発生したり、工程間に待ち時間が生まれリードタイムが悪化します。また、本音で話し合いをすることができないため、問題の本質に迫ることができません。
まずは、雑談でネットワークをつくり、その後、互いを深く知り、関係性を深める必要があります。

❚ 日常業務が多すぎる。
もしかすると、これが最も多いケースかもしれません。
日々の業務でいっぱいいっぱいだと、新しいことに取り組むことが怖くなります。新しいことに取り組む時には、同時に何か1つやめなきゃいけません。そうしないと、やることが増える一方で、いつかパンクしてしまいます。

❚ チームとして目指すものがない。
行き先が決まっていなければ、どれだけ優れたカーナビを導入しても使う由がないのと同じで、組織も目指すものがなければ、どんな指導も教育も宝の持ち腐れになります。
そもそも学習は、現状と理想のギャップとの間にある課題を解決する術を学ぶために行うもの。
理想なきところに課題なし。よって社員のトレーニングでは何も解決しません。

❚ 他部署、前後の工程との連携が悪い。
これは、「チームとして目指すものがない」の派生型として起きるものです。
各部署、各人が部分最適に陥り、適切な行動をしなくなることがあります。
例えば、新聞業界では「記事と読者、どちらを優先するか?」で揉めることがあります。重大な事件が起きた時や大きなイベントがあった時など、ギリギリまで取材をして印刷を遅らせることがあります。
しかし、それで配達時間が遅れ、そもそもお客様のもとに新聞が届かないという事態が起きるんですね。
新聞の本分は、速報性よりも解説性です。それが共有されれば取るべき対応も定まるはずです。

❚ 結果の評価ウェイトが大きい。
結果で評価されると、結果が出ることしかやらなくなります。つまり難しい課題に挑戦しなくなる。…挑戦しない方が合理的という仕組みになってしまっているのです。
また、短期的な結果を評価すれば、時間がかかる大事…例えば顧客との関係性づくりなどをしなくなるのは当然です。
プロセス評価、しかも長期的な評価が欠かせません。

❚ 上司が任せきれていない。
これは頻繁に目にするケースですが、上司が任せきれず、口出し(ダメ出し)を行うと、部下は「じゃあ、細かく指示を出してよ。その通りやるから」とヤル気を失います。あるいは、ダメ出しが嫌で無難な挑戦しかしなくなります。
対策は、とりも直さず任せ切ることです。
人は、失敗した時や、思ったように成果が出なかった時に学び成長します。口出しは、成長の機会を奪う行為です。
上司は、失敗から学ばせる技術を習得することが欠かせません。
関心がある方は、こちらの記事を参考にしてください。

求められるのは「待つ力」…先回りしないリーダー自律型人材を育てる

❚ 経営、管理職が異論を嫌う。
異論を嫌う上司+彼らが人事権を握っている。…この組み合わせがある組織では、表向きは挑戦を奨励していても、社員は上司の意向を読み、安全な提案しかしなくなります。
対策としては、認識を入れ替えるか、仕組みで対応するしかありません。
仕組みとは、例えば、僕の友人が経営する会社では、上司に異論を唱えた人を評価することを厳格なルールとして定めています。

とまあ、今日は代表的なケースを紹介しましたが、経営者として大切な認識は「人は合理的な行動をとる」という事実です。
社員の行動を責めるのではなく、その行動が生まれる構造に目を向ける。そこから、組織を変える取り組みが始まるのだと思います。 

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