注意よりも効く。「自ら変わろう」と思ってもらえる対話術
部下の問題行動を改善しようと思った時に「注意を与える」という方法はどのくらいの効果があるのでしょうか。
おそらく、多くの人が、それだけでは効果なしと感じているのではないかと思います。それどころか反抗され関係悪化を招くこともあると思います。
人は、他者の圧力で変えられることに抵抗を示すことが、心理学の研究で分かっています。
ケロッグ経営大学院のロレン・ノードグレン教授の研究によると、人が変化に抵抗する時には4つのケースがあることが分かっています。
・「惰性」:馴染のものに留まろうとする欲求。
・「労力」:変化に必要な努力やコスト。
・「感情」:提示された変化に対する否定的な感情。
・「心理的反発」:他者に変化させられるということに対する反発。
この中の「心理的反発」が、他者から注意を受けた時にあたります。
外圧が逆効果だとするならば、自ら「変わろう」と思ってもらうしかありません。
街のポイ捨てを減らすのに、注意書きを貼り出しても効果は限定的だと言います。最も効果を発揮するのは、徹底的に掃除をすることです。ゴミ1つ落ちていない状態は、「みんなマナーを守っている」というメッセージになり、ポイ捨ての抑止力になるのです。
まずは、リーダーはこのポイントをおさえる必要があります。
そしてもう1点、一方的な注意では人が変わらない理由に「注意を受けたダメな行動に代わる理想的な行動が分からない」ということがあります。
注意を与えれば「今の状態ではダメ」ということは伝わりますが、それだけでは「どうすれば良いのか?」は分かりません。人は「理想」が描けないと変われないのです。
そこで有効なのが「行動の置き換え」というテクニックです。
人は、「タバコを吸わない」「お菓子を食べない」など「やめる」「しない」ということが苦手です。それが、例えば「タバコを吸わない代わりにガムを噛む」といった行動の置き換えをすると行動が変容しやすいんですね。
「自ら変わろうとする」+「行動が置き換わる」…この2つを同時に行っている好例といえば、よくコンビニのトイレで見る「いつもキレイにご利用いただきありがとうございます」という貼り紙です。
このメッセージには「みんなキレイに使っている」という前提が設定されていますので、自分もキレイに使わなきゃという内発的な責任が生まれますね。
他にも、先日、泊まった旅館の露天風呂に「虫さんも葉っぱさんもお風呂が大好きです。そっとすくってあげてください」という貼り紙が、虫とり網とともにつけられていました。
おそらく、心の狭い顧客からの「虫が入っていた」というクレームに対する策なのだと思いますが、これも上手ですね。
僕は、この心理的効果をよく活用してきました。
社員に、行動を変えて欲しい時、あるいは、何かしらの新しい行動をとって欲しい時には、全員に対し「◯◯してくれて嬉しいよ。ありがとう」と伝えてきました。
実際にその行動をしている社員は1人か2人だったりするわけですがね。
いかがでしょうか。
今日の記事の内容が、一方的な注意ではなく、なおかつ、読者が自ら変わろうとする意欲を刺激する提案であれば幸いです 笑。
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