一番辛く大変な時。実は、夜明けは近い。

「夜明け前が一番暗い」と言いますが、最も苦しい時は、必ずしも最も悪い時とは限りません。むしろ、そこには光の兆しが訪れていることが多いと考えています。
僕は、様々な企業の経営支援を通じ、このことを何度も体験する中で、なぜ夜明け前が一番暗いのか?を言語化できるようになりました。

それは「根本問題」に近づいているからです。
根本問題とは、そこに手を打てば、物事が大きく変わる急所ですが、急所ゆえに、そこに触れるには苦痛が伴うものです。

事例で説明しますね。
企業研修を行うと、一瞬にして場が固まる場面があります。それは、研修での学びを自社の課題解決に活かす実地の場面です。

研修ではみんな活発に発言し、すごく愉しそうなのに、いざ現場のこととなると、得体の知れない緊張が走り固まってしまうんですよね。

例えば、それは、プロジェクトを立ち上げ、事業計画を策定する場面で起こります。
事業計画のつくり方を体験ゲームで学ぶと、すごく盛り上がるのですが、いざ自社のプロジェクトの立案になると、途端に口数が減るのです。
なんというか、開けてはいけないパンドラの箱のようなものがあり、それを避けるように話を進めるのです。

しかし、僕は、この一番暗くなった時こそ、ブレークスルー(夜明け)の兆しと捉えます。
組織として、最も着手しなければいけない根本問題ほど蓋をしたくなるもの。その蓋の真ん前に立ったからに他ならないからです。

例えば、プロジェクト遂行の役割分担を決める時に、みんな下を向いて黙り込んでしまうことがあります。
もう、3分が1時間くらいに感じる、重たい空気が流れるんですよね…

その原因は何でしょうか?
「責任を押しつけられるから」「失敗すると叱責されるから」「助け合う文化がないから」「正しく評価されないから」…そんな可能性があります。
これだと「やらない方が得」ですので黙り込むのは当然のこと。
つまり、主体性がないのではなく、主体的に動かない方が合理的な組織になっているのです。

これが根本問題です。

根本問題はパンドラの箱で、できれば触れたくないもの。
だから、空気が重くなるのですが、それゆえに、そこに着手すれば夜が明ける可能性が高いのです。

「見えない中身」をレントゲンで透かすようにすることも僕の役割だと考えています。
「もしかして責任を押しつけられるといった懸念があったります?」と、軽く問うことで根本問題を探ることができます。

根本問題は、個人の能力や現場の努力で解決する問題ではありません。組織の仕組みや文化に関わる問題ですので、経営者が旗を振る必要があります。

組織の空気が重くなった時、大切なのは、その重たい空気から逃げて、再び表面的な問題に戻ってしまわないことです。
一番暗い時。…それは、光が遠ざかったからではなく、光がすぐそこまで来ているからです。
勇気を出して向き合うと、途端に光が差し込んでくるかもしれません。
 

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