古くなるほど価値が増す時代へ。
ここ数年、「買い取り」の折込チラシが爆発的に増えています。
僕の地域では、ほぼ毎日のように入りますし、多い日には4社も入ったことがあり、リユース市場の活況が分かります。

市場規模を調べると明らかです。
2009年の1兆1274億円だったのが、2025年には3兆3000億円と、2.5倍にも成長しています。
メルカリの調査によると、一年以上使用せずに家庭内に保管してある「かくれ資産」は、一人当たり53.2万円、国内総額66兆6772億円にのぼることが分かりました。
リユース市場は、2030年には4兆円を超えると予測されており、このトレンドはしばらく続きそうです。
今日、この話題に触れたのは、単に「リユース市場に乗り出そう」といった提案がしたいわけではなく、このトレンドの背景にある人々の感性の変化は、どんな業種にも影響を与えるからです。
まずはリユース活況の要因を紐解く必要があり、AIに聞いてみたら、次のような回答がきました。
・家庭内にモノが溢れる「モノ余り社会」だから。
・メルカリなどの普及で、捨てる→売るという習慣が一般化した。特に、高齢者の生前整理・遺品整理に活用されている。
・低資本で参入できるビジネスモデルだから。
どれもその通りだと思いますが、分析が「売る側」に偏っています。
リユース市場の拡大の背景には「買う側」の変化があるはずです。
そもそも、リユースとは「中古」のことです。
以前は、中古を下に見るきらいがありました。新品の方が良いが、買えないから中古で我慢すると。
しかし、今、中古に対し積極的な価値を見出す人が増えています。
要因として、SDGsの普及の影響で、大量消費・大量廃棄に罪悪感を感じる人が増えていることがあります。
加え「アンティーク」の価値が分かる人が増えていることも要因としては見逃せません。
世の中には、古くなると価値が下がるものと、渋くなって価値を上げるものがあります。
例えば、今、僕がブログ執筆に使っているパソコンは前者です。
対し、神社仏閣、教会、器や家具などの伝統工芸などは、古なった方が価値が上がります。
他にも、洋服を使い捨てをせずに、手を加えてリメイクすることも価値も高めます。
先日、皆川明の「つぐ展」に行きました。
作品の中に洋服のリメイクが展示されているコーナーがあり、多くの人がカメラを構えていました。
リメイクされた服たちを見ていると、オーナーの相棒として苦楽を共にし、一緒に年輪を重ねていったストーリーを感じるのです。
今、僕は「服たち」という擬人的な表現をしましたが、それは服に生命の宿りを感じたからです。

冒頭に貼り付けた買い取りのチラシは、まだまだ経済価値を訴求するものばかりですが、どれも背景にストーリーが潜んでいそうなもので、それの価値を大切にする人は少なからずいると思います。
だから、僕は、リユース市場の活況を、心の豊かさに対する人々の意識の変遷という視点で観ているのです。
SDGs的なトレンドに乗っており、さらにロマンもあるときたら普及しないわけがありませんよね。
生活者の購買には、使ってなくなる「消費」と、使うほどに価値を加える「生産」があり、これからは人口減少社会の進展とともに「生産」がさらに盛り上がるでしょう。
経営者は、その波を感じ経営の舵取りを行う必要があると考えています。
最後に、そのヒントとなる名言を紹介しますね。
「GDPでは豊かさは測れない。詩の美しさや家族の絆、思いやりといった、私たちの人生を価値あるものにする要素は何も計測できていない」 ーロバート・ケネディー
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