リーダーシップは「誰か」ではなく「関係性」に宿る
僕のブログには、記事をカテゴリー別に整理する機能があります。
パソコンは画面右側、スマホは下にスクロールしたところに位置し、39個のカテゴリー項目があります。 その中で、最も記事数が多いのは「指示ゼロ経営的コミュニケーション術」で、全体の18%を占めています。
社内のコミュニケーションは、それだけ重要な要件ということです。
「コミュニケーション術」と聞くと、リーダーの部下に対する接し方と捉える方が多いと思いますが、実は、部下のリーダーへの関わり方も重要です。
その理由は、リーダーシップとは関係性の賜物だからです。
私たちは、リーダーシップを「リーダーの能力」と考えますが、それは半分は間違いで、リーダーとメンバーの関係性がバッチリとはまった時に出現する現象です。
分かりやすい事例があるので紹介しますね。
以前に、知り合いから「凄いリーダーシップの持ち主がいる」と聞き、その会社に視察に行きました。
その会社の社長は、女性で、旦那さんの急逝を機に社長に就任しました。
僕は、社員さんの様子を見て「現社長はリーダーシップがある人」という感想を抱きました。
それを奥様に伝えたのですが、奥様は「いえいえ、まったく違います」と否定しました。謙遜と思いきや、詳しく事情を聞くと、あるエピソードを紹介してくれました。
先代の社長が心筋梗塞で急逝した時のことです。
リーダーを失った社員は動揺し社内は大混乱です。新社長には奥様が就任することになりましたが、経営に関しては素人です。
葬儀の後しばらしくして、奥様は社員を集めます。そこで、決算書などの企業情報を提示し、社員に伝えました。
「お願いします。我が社は地域に必要な企業です。みなさんの力を貸してください」
奥様は社員から慕われており、奥様の真剣な願いを聞いた社員たちは一致団結します。
先代の時よりも、社員は、自ら考え最高のチームワークを発揮するようになり、見事に危機を乗り越えたのです。
この話を聞くと「経営者には謙虚さが必要」「社長は社員を信頼して委ねることが大切」という教えに聞こえるかもしれませんが、そんな単純なものではありません。
話の要諦は、リーダーシップとは、置かれた状況や、社長とメンバーの個性と能力、互いの関係性の組み合わせによって出現する「現象」ということです。
奥様の話をさらに詳しく聞くと、リーダーシップが出現するプロセスが具体的に観えてきました。
まずは、番頭さんです。番頭さんは部下から信頼されており、メンバーへの影響力が強い方です。奥様と番頭さんの関係は非常に良好で、奥様の力になりたいと思った番頭さんが「おい、みんな頑張るぞ」と火をつけてくれたのです。
この話をすると「こんな番頭さんが欲しい」という経営者がいますが、番頭さんが別の会社に入っても、活躍するとは限りません。
あくまで「関係性」だからです。
逆に、社員の立場の方で「奥様のようなリーダーが欲しい」という言う方もいますが、これも同様です。
番頭さん以外にも、40代後半の中堅社員さんも重要な役割を果たしました。
分かりやすく言えば「宴会部長」のような方なのですが、彼が、メンバーを飲みに誘ったりして動揺を鎮めたと言います。
同社には、社員を信頼し頼るリーダーと、それに応える自立心旺盛な社員さんのマッチングがあり、その結果、リーダーシップという現象が起きたのです。
もし、社員さんが指示を受けないと動けない人ばかりだったら、成立しなかった話です。
また、同社には上得意客が多く経営は安定していました。もし商いが不安定だったら、強いリーダシップが求められ、奥様では難しかったかもしれません。
リーダーシップは“誰か”ではなく“関係性”に宿るもの。
是非、今日の記事を社内で共有していただき、自社の最適なリーダーシップの形をを考える機会にしていただければ幸いです。
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