競争ではなく「共創」を促す人事評価を考える。
成果主義は2000年代に流行りましたが、導入した企業の多くで助け合いの文化が破壊され、あっという間に廃れました。
その代わり、成果ではなくプロセスで評価をする企業が増えましたが、これも使い方によっては成果主義と同じ弊害をもたらします。
今日のブログでは、その理由を明かし、評価制度のあり方に課題を示したいと思います。
成果主義は、報酬を成績により傾斜配分します。
典型的なのは、社員をS・A・B・C・Dの5段階で相対評価し、Sは全体の10%、Aは20%、Bは40%、Cは20%、Dは10%、などと分布を決め、賞与の原資を成績に応じ傾斜配分する方法です。
当然、賃金の原資は限られているので競争原理が働きます。
「うちは成果ではなくプロセスで評価しているから成果主義ではない」という企業がありますが、構造的には成果主義と同じなのです。
なぜなら、人件費のパイがある以上、どんな評価方法を取ろうとも、処遇(賃金)に反映させたら競争原理が働くからです。
確かに、成果を出すためには適切なプロセスが必要です。
では、プロセスには何が必要でしょうか。
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授は、「組織の成功循環モデル」という概念で成果までのプロセス的を説いていますが、これが射ているんですよね。

人間関係が良いと、深い対話ができ、良質なアイデアが生まれるなど「思考の質」が高まります。良いアイデアが出ると、行動意欲が刺激されたり、チームワークが形成され「行動の質」が高まり良い結果に繋がります。すると、メンバー間の「関係の質」がさらによくなるという好循環が回ります。
これには悪循環もあります。
人間関係が悪いと、ろくでもないことしか考えられず、チームワークの不和など行動の質が落ち、良い結果が出せず、それを他人のせいにして、さらに人間関係が悪化するという悪循環です。
プロセスの出発点は「関係の質」ということになります。
そして、関係の質の最高峰は「共創関係」です。
メンバー間が共創関係になると、次のような効果が期待できます。
・脳のパフォーマンスUP
・創造性向上
・学び合いの活性化
・ボトルネック(仕事の滞り)の解消
・挑戦意欲UP
いくらプロセスで評価しても、それを処遇に反映させ過ぎると、不健全な競争が起こり共創を壊す可能性があることがあるのです。
対策としては、評価と処遇と切り離すこと、つまり評価はするが処遇には反映させないこと。あるいは、評価が処遇に占めるウェイトを20%以下にすることをお勧めしています。
頑張って仕事量を増やせば成果が出た時代では、競争を刺激することで組織は成長しました。
しかし時代は変わり、知恵と創造性、協働が成功の鍵を握ります。
その土台となる「関係の質」に立脚した制度設計が求められると考えています。
さて、ここからはお知らせです。
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