「衝動」が最も重要な経営資源になる時代
先日、東北でとあるイベントがあり、講演をさせていただきました。
イベントの趣旨が「資本主義の先」ということで、僕は主に「働き方と利益の新しい関係」について話しをさせていただきました。
「幸せな人はそうではない人と比べ、創造性が3倍、生産性が1.3倍高い」という研究がありますが、僕はずっと、人はどのように働くと幸福なのか?ということに感心を抱いてきました。
・自分で決めることができる。
・仲間と協働できる。
・成長が実感できる。
・他者の役に立っている実感がある。
などの要件がありますが、至高の幸福は「天職を生きている」ということではないでしょうか。
天職とは、自分の才能や価値観に深くマッチし、大きなやりがいや生きがいを感じられる仕事を指します。
天職を生きている人は損得勘定を超えた動機で動きます。
その要点は次の2つです。
・伝えずにはいられない何かがある。
・伝えずにはいられない誰かがいる。
実は、これらは私たちが日常的に体験していることです。
例えば、すごく素敵なレストランを見つけた時に、家族や親友に教えずにはいられないという経験があると思います。
その時に、あなたは、感謝や報酬などの見返りを求めているでしょうか。
そうではなく「せずにはいられない」という衝動で動いている。そして伝えること自体に幸福を感じているのではないでしょうか。
近所の魚屋さんは天職を生きています。
本当に心から勧められる魚を仕入れることに命を燃やしています。そんな仕入れができた時にお店に行くと「おい、すげーぞ、おい。買わんと損するぞ」と興奮して迫ってきます。
逆に、仕入れる魚がない時は、「ダメダメ、今日なんか何もない」としょんぼりしています。
消費には「生きるための消費」と「心を満たす消費」の2つがあり、現代の生活者は2つを上手に使い分けます。
前者は、大多数を相手にする大量生産・大量消費のビジネスなので大手企業が有利。しかし、モノに溢れる時代では、市場は真っ赤っ赤のレッドオーシャンになります。
対し、後者はブルーオーシャンで、天職を生きる人には敵いません。
天職を生きている人は、美しい衝動を持っています。
見返りがなくとも贈与する。
その行為そのものから幸福を得る。
その姿が顧客を魅了する。
そして、魅了された顧客もまた「伝えずにはいられない」と思い、口コミやSNSでの発信を行います。
天職を生きる人とSNSは相性が良いのです。
伝えずにはいられない何かを発信することで、人々と繋がり、伝えずにはいられない相手が増えていく。
従来、私たちが学んできた営業や宣伝とは世界が違うのです。
これからの時代は、営業力や宣伝力よりも、美しい衝動を持って働くことが繁栄のエンジンになる時代だと考えているのです。
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