偶然を味方につける「行き当たりバッチリ経営」

ブログの読者の中には、衰退期のビジネスを営んでいる方もいらっしゃると思います。
僕も新聞店を経営した経験があるので、流れには逆らえないということを嫌というほど思い知らされました。
そして、そこで必要なことは延命ではなく「生まれ変わり」であることも。
今日の記事では、生まれ変わるために必要な考え方を整理したいと思います。

通常、ビジネスモデルは「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4段階に分かれます。
すでにご存知だと思いますが、ざっと確認すると…

◇導入期→新商品やサービスが市場に登場した段階。認知度が低く、販路拡大に時間とコストがかかる。
◇成長期→市場の需要が拡大し、売上が急増する時期。競合も増える。
◇成熟期→市場が飽和し、売上の伸びが鈍化する時期。市場が成長しないため競争は激化する。
◇衰退期→市場縮小により売上が減少する段階。製品の見直し、撤退、または新たなビジネスモデルへの転換が求められる。

このように4段階で誕生から衰退を辿ります。

2000年以降、新たな技術が進展した一方で、多くの産業が衰退しましたが、中には業態転換に成功し、新たな生命を宿した企業もあります。
そうした企業の特徴は、延命ではなく「死と再生」を行ったことにあります。

僕は、新聞業界で23年間悪戦苦闘してきて、「ビジネスモデルの死と再生」を偶然にも体験することになります。

死と再生の秘訣は、マッキンゼー&カンパニーが2018年に発表したレポートに記されています。
レポートによると、2000年以降に大きく成長した企業の多くは、今ある経営資源を成長市場に大胆に振り替えることに成長した企業で、同じ市場に居続けシェアを伸ばした企業はほとんどないと言います。

国内企業では、フィルム事業から美容・ヘルスケア事業に転換した富士フィルムや、花札からテレビゲーム事業に転身した任天堂がその代表ですね。

任天堂は以前、百人一首のレコードも出していた。

成功した企業を後から分析すると、計画的に業態転換を行ったように見えますが、そういう企業ばかりではありません。
むしろ、多くの企業が試行錯誤の末に「偶然に」業態転換を実現しています。

有名どころでは、接着剤の失敗作からポストイット(付箋)の開発に至った3Mがありますよね。

僕が経営した新聞店もそうでした。
進化のプロセスをダイジェストで紹介しますね。

1、新聞購読者が減り、どんなに営業力を磨いても成果が出なかった。
2、何をやったら良いか分からないが、客商売は顧客に信頼されてなんぼという事だけは知っていたので、全社を挙げてお客様に喜ばれる「モア心地よさ運動」を展開。
3、その結果、例えば、独居老人宅に配達をする際に、前日の郵便物の有無をチェックし安否確認をするサービスを考案。
4、お客様との信頼関係が醸成されるにつれ、様々な生活相談を受けるようになる。
5、それらは個々の生活者の課題というよりも地域の課題だということが分かる。
6、指示ゼロ経営のノウハウを活かし、地域の人たちで地域課題を解決する場をつくる。
7、結局、このサービスが行政に認められ地域づくりの指定管理を受ける。
8、その延長で第三セクターのホテルの運営も任せられるようになる。

行き当たりばったりならぬ「行き当たりバッチリな経営」と言うと笑いが起きるのですが、これはユニークな武勇伝などではなく、現実性の高い生まれ変わり戦略だと考えています。

そのためには、軸となる「変わらないもの」を持つことが欠かせません。軸があるから変われるのです。
当社の場合は、指示ゼロ経営の理念である「自律的な生き方による幸福創造」という不変の軸があったからこ偶然の出来事を軸に引き寄せ、新しい業態に生まれ変わることができたのです。

今は、正解がない時代と言われ、予定調和で事が進むことはありません。
そんな時代では、「前に進みながら正解を探る」という行き方が現実的だと思うのですが、いかがお考えでしょうか。
 
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