「モノよりコト」の実践学

よく「顧客は”モノ”ではなく”コト”を買っている」と言われますよね。
例えば、お掃除ロボットは「自由時間の確保」だったり、風邪薬は「今日1日をなんとか乗り切る」というコトを買っているということ。
あまり知られていない話ですが、アサヒビールの「スーパードライ」のユーザーが買っているものは「勝利」だと言います。
かつて、キリン一強だったビール市場に、徹底的な品質管理を武器に殴り込み、首位の座を奪った…その勝利のイメージを買っているということです。
だから、CMも家族団欒ではなく、企業戦士が「ウォー!」と祝杯をあげているものが多いのです。

さて、今日の記事では「コトに責任を持つ」というテーマで、これからの時代に繁栄する企業の条件を考察したいと思います。

「モノよりコトを」という考え方は、2000年代に入り広く知られるようになりました。
その背景には、生活者がひと通りのモノを手にし、十分な豊かさを手にしたという事実があります。
モノが売れなくなったんですね。

さらに20年ほどが経ち、現代の生活者は、あり余るモノにウンザリし「こんまり」さんこと近藤麻理恵さんのベストセラー「人生がときめく片づけの魔法」を読み、断捨離に励んでいます。
物質的な豊かさは完全にピークポイントを超えたのです。

だから、勧誘、売り込みをする企業に嫌悪感を抱くわけです。
それどころか、CMですら不要と考える生活者が多く、CMを消すのにお金を払うことも厭いません。

これが昔はそうではなかった。
昭和生まれの方はご存知だと思いますが、みんなCMが好きで、CMを特集した「CM NOW」という雑誌が売れていたくらいです。

宮沢りえちゃん、可愛いですね!

生活者は変わった。
では、企業はどうでしょうか。

コトを提案することが当たり前の企業もあれば、いまだにモノ売りの発想から抜け出せない企業もあります。
どちらかというと後者の方が多いのではないでしょうか。

「うちは顧客第一主義を掲げているから大丈夫」と、一見すると「コト」を重視しているように見える企業でも、その思想がどれだけ現場で体現できているか?と問われれば、微妙です。

それは、意思決定の場である会議を見ると分かります。
「コト」を重視している企業では、会議の中心に顧客が存在します。対し、モノ売りの企業では、自社の数字の話に終始するケースが多い。

あなたなら、どちらに熱心な企業から買いたいでしょうか。

別に数値の話が悪いわけではありません。顧客の「コト」が実現すれば必然的にモノは売れるわけで、そういう意味では、数値は自分たちの活動の通知表と言えます。

中心軸にどちらを置いているかが問われる時代です。
コトに責任を持つということ。

ボタンの掛け違いという言葉がありますが、一度掛け違いが起きると、その後はズレたまま進行することになります。
軸足が「コト」からモノに移動していないか?…定期的にメンテナンスをすることが大切だと考えています。
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