人と組織を伸ばす「計画的な休息」の実践法
僕は、定期的に無料相談を実施し、人と組織に関する相談を受けています。
「まだまだ社員が自分事になっていない」「本音で語り合えていない」「問題意識が希薄」「自発性が足りない」…挙げればキリがないほど、多くの悩みに対峙してきました。
それらの悩みに対し、僕がお尋ねすることがあります。
「それって順調ってことじゃないですか?」
すると「順調じゃないから相談しているんです」と言われるのですが、僕の目には順調としか思えない案件が多いのです。
相談主と僕の認識の違いはどこから来るのでしょうか?
実は、原因はタイムスパン…「成就までに要する期間」の認識の差にあります。
相談主の中には、本来であれば7年ほどかかるような案件を、1年か2年で達成しようとする方がいます。
人も組織も順調に育っていても、時間軸を短く設定し過ぎると「成長していない」と見えてしまう。…その違いなのです。
それは、幼児に筋骨隆々を求めるようなもので、「無理ゲー」というもの。人と組織の成長に陰を落とすので注意が必要です。
経営者、マネージャー層からの相談の一方で、上司のせっかちに悩む一般社員の方からの相談も受けます。
彼らは口を揃えて「どれだけ頑張っても、まだ足りないと言われる」と嘆きます。
これでは何事も嫌になってしまいますよね。
もっとノビノビと育つ環境を整える必要がありますし、その方が結果的に早く育ちます。
では、どんな環境を整備すれば良いのでしょうか。
その要領は「筋トレ」と同じで、負荷だけではなく休息をとることです。
図解を交え説明しますね。

人の成長には、適切な挑戦が必要です。適切というのは、実力よりも少し高い難易度を指します。図解では、「ちょい背伸び」の領域です。
最初はキツいかもしれませんが、やがて実力が身につき愉しくできるようになります。(図解の「愉しい」の領域へ移る)
しかし、十分な実力がつくと、実力対し相対的に挑戦度合いが下がりますので「余裕」の領域に入ります。
やがて、手放しでもできるようになると「退屈」領域に入ります。
ここで、より高い挑戦に挑む必要があるわけですが、その前に休息を入れることが大切です。
(図解の青色のゾーン)
休息期間では、メンバーと成長対話をします。
メンバーを労ったうえで「この◯カ月間で、何ができるようになったか?」「成長した部分はどこか?」と問い、自分たちで考えてもらいます。
その後、「今後は何ができるようになりたいか?」と問い、成長課題を自分たちで考えてもらいます。
最初に成長幅を確認することが大切で、そうすることで自信がつき、その後の成長に勢いがつきます。いわば、未来のための「助走」のようなもので、より遠くへ飛ぶことができるのです。
僕が相談主に伝えていることは、概ねこんなところです。
そして、最後にお伝えすることがあります。
それは、人と組織の育成は、企業の未来を決める一大事です。
大切なことほど時間がかかるもの。でも、だからこそ競争力になるのです。すぐに身につくものなど誰でも手に入れることができますからね。
人と組織の育成は、焦らず、挑戦と休息を繰り返す。
一休さんの名台詞…「あわてない、あわてない。一休み、一休み」ではありませんが、人材育成とは「早く育てる技術」ではなく、「成長を信頼し待つ技術」なのだと思います。
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