人は「自ら語った未来」に向かい自らを育てる。

人材育成の真骨頂は「自分で自分を育てる社員を育てる」ということだと思います。
これは自己研鑽を求めるという単純なものではなく、「思わず自分を育ててしまう」という環境をつくることです。

どういうことでしょうか。
実は、この技術は、色んな分野で巧みに活用されてきた歴史があります。
例えば、寄付です。
唐突に「寄付をしてください」とお願いしても「無理です」と撃沈されてしまうのがオチですよね。
そこで、寄付をお願いする前に「仕込み」をします。

寄付の話は一切出さずに「意識調査のお願いです」と近づきます。
調査には、例えば「先進国の住人として、恵まれない国の人々に支援の手を差し伸べるべきか?」といった、常識人なら「Yes」としか答えない設問が並びます。
この設問に答えているうちに、「困っている人を助ける聖人君子」というコミットメントが醸成されるのです。
そのタイミングで「寄付をお願いできないでしょうか?」と持ちかけると、かなりの確率で応じてくれるのです。

ズルいやり方ですね。
とても強力なので悪用はしないでくださいね 笑。

僕は、この原理を応用した「鉄板」と言える方法を知っています。
それは「視察の受け入れ」です。
他社からの視察を受け入れ、そこで社員にプレゼンをしてもらうのです。
プレゼンをした=自社の発展の立役者というセルフイメージを纏うことになり、その後、自らを理想に近づけていくのです。
もし、効果を確固たるものにしたければ、数カ月後に、再び視察者にお越しいただく予定を組むと最高です。
僕の友人に、経営者仲間で「視察の会」を作っている人がいますが、とても人が育つと言います。

他にも、採用に既存社員に参画してもらうことも有効です。
会社説明会などで、求職者に「うちは、こんなことを大切にする会社です」「こんなことを目指す会社です」と説明をしてもらい、そのために心がけていることをプレゼンしてもらいます。すると、自分で言った通りの人間になっていくのです。

社内勉強会をひと工夫すると、同じような効果が得られます。
勉強会ではテーマを設け、3人〜4人1グループになり、次の問いに基づき対話をします。

1、最近できるようになったこと、成長したこと何か?
2、その経験から学んだこと、気づいたことは?
3、次に挑戦したいことは?

以上を15分ほどで、月に一度くらいの頻度で行います。

これは「経験学習」という人材育成の王道なのですが、仲間と情報交換をすることで「自分で自分を育てる」という嬉しい副効果があるのです。

今日紹介した方法は「育った自分が、さらに自分を育てる」という加速度的な効果があります。
やらない手はないと言うほどに効果を発揮しますので、自社の人材育成の仕組みに取り入れてみてはいかがでしょうか。
 

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