「常識に縛られるな」の難しさについて

「常識に縛られずに…」ということは昔から挨拶の定番ですが、言われ続けるということは、いつまで経っても縛られ続けているという現実があるからだと思います。

今年(2025年)、坂口志文さんがノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
みんなが「無理だ」と言った研究を続けての快挙ですが、歴史を紐解くと、その斬新さゆえに潰れてしまった研究もあります。
例えば、ある日本人研究者がピロリ菌の存在に気づき、上司に「本格的に研究したい」と提案したところ、「胃液の中で生きている細菌がいるはずがない」と一蹴されたと言います。
その後、オーストラリア科学者が研究を重ね、ノーベル生物学賞の栄冠を持っていってしまいました。

放送作家の佐久間宣行氏は、「アイデアを話した時に、周りが『なにそれ?』と否定的な反応をするものに目をつける」と言います。みんなが「イイね」というものは、すでにあるものなので採用しないのです。

常識を破った稀有な人が、スマホや飛行機、パソコン、自動車などを作りました。
これらのものは、開発当初「そんなものができるはずがない」とか「できたとしても売れるはずがない」といった批判を浴びました。

これらの発明品は、今や常識ですが、当時「こういうものを開発しようと思っているんだけど」と相談されたら「やってみよう!」と言えるでしょうか。

例えば、もし、あなたが家族に「ぬいぐるみに旅をさせる旅行代理店を作ろうと思っているんだけど」と相談されたらどう答えるでしょうか。
僕だったら「バカみたいなこと言ってんじゃないよ」と言うと思います。

しかし、このサービズは実在するのです。
「ウナギトラベル」という、ぬいぐるみ専門の旅行代理店があり、ちゃんとビジネスとして成り立っています。
持ち主から預かったぬいぐるみを国内外に旅させ、持ち主には、出発間際や機内の様子、観光地で楽しむぬいぐるみの写真が送られてくるそうです。

このサービスの存在を知った時は、ショックで倒れそうになりましたよ。そもそも「常識を破る」などということは、一部の変態にしかできないことなのかもしれません。というのも、私たちは、常識を持つことで異常を発見するからです。

例えば、「8+4=12」ということを疑う人はいないですよね。その常識があるから、電卓で計算して16と出れば、打ち間違いをしたか、電卓の故障などのエラーを疑うことができるのです。
「もしかして、8+4=12ではないのかも?」なんて疑っていたら日常生活を営むことは困難になります。

常識とは、私たちが安全な暮らしを維持するために身につけた知恵なのです。

僕は、常識を破る方法を知りません。
今日のブログでは、私たちが簡単に使う「常識に縛られるな」という言葉の難しさを伝えたかっただけです。
どなたか、常識を破る方法を知っていたら教えていただけないでしょうか。

ちなみにChatGPTに聞いたら次のような提案をしてくれました。

・素人の視点を入れる。
・常識を破る=悪という発想を捨てる。

どうやらAIにも難しい課題のようですね。
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