マンネリの防ぎ方

やると決めたことなのに、いつの間にかやらなくなっている原因の1つに「マンネリ」があります。
マンネリとは、飽きるほどやったということですから、それはそれで素晴らしいことだと思います。
マンネリする前にやらなくなる事の方が多いですからね。

贅沢な悩みだと思いますが、どうすればマンネリは防ぐことができるのでしょうか。
その秘訣を、あるアパレルショップ(洋服屋さん)の店主が、食事を例に教えてくれました。

「ご飯と味噌汁はいつもと同じ安心感」「おかずはちょっとユニーク」「スパイスは刺激的」

これを自店で応用しているそうです。
具体的には、そのお店のテイストはアメリカンカジュアルで、そこには相当なこだわりがあり、絶対に変えないそうです。これがご飯と味噌汁に当たります。

「おかず」に当たるものは、ちょくちょく変えるもので、店の模様替えやイベントです。模様替えは2週間に一度行っているそうです。日本には「二十四節気」の文化があり、その変化に合わせ上手にレイアウトやディスプレイを変えるそうです。
ちなみに、模様替えがお客様のリピートに貢献しているそうです。

ではスパイスとは何でしょうか。
それは、このお店のテイストを極端に表した、過激な商品だと言います。「こんなの誰が買うの?」という刺激的な商品を置くことで、同店の世界観を示しているのです。

店主は、ご飯と味噌汁、おかず、スパイスの中で、最も重視しているのは、ご飯と味噌汁…つまり、「変わらないもの」と言います。
変わらないものがあるから変わることができるということです。

エスメスには、いまだに馬具の工房があり、実際に製造しているそうです。

勿論、ニーズはほとんどありません。
しかし、この活動が同社のポリシーを支える支柱になっていることは間違いなく、だから、新規挑戦ができるのだと考えます。
同社にとって馬具は「ご飯と味噌汁」にあたるものですが、時代が一周して、「スパイス」にもなっているのかもしれませんね。

変わらないものを「コア」と表現したのは、500年企業「とらや」の黒川光博会長です。
BUSINESS INSIDERの取材にこのように答えています。

コアがきちんとあれば、新しいことやこれまでとは少し違うことをやったとしても、お客様には受け入れていただける。それを皆さんは「革新」とか「新しいこと」と言ってくださいます。けれども、そのように言っていただくためには、会社が大切にするコアの部分をどれだけきちんと貫けるかが勝負だと思います。

以上は、小売店の事例ですが、様々な分野に応用ができると思います。

ある企業では、社員さんが主体で頻繁に新しことに挑戦しています。それができるのは「変わらないもの」…社是として「相互支援」を明確に宣言しているからです。
絶対に仲間が助けてくれるという確信があるから挑戦ができるということです。

一方、マンネリ防止のための「おかず」として、毎月、挑戦した社員を表彰する仕組みがあります。
そして「スパイス」が面白い。
年に1回「失敗大賞」という、大胆に挑戦して失敗した社員を称えるセレモニーを行っています。

いかがでしょうか?
人類が開発した食文化から、経営のヒントが得られるなんて面白いことだと思います。
面白い応用法があれば、是非、僕に教えて下さい。

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