人手不足は採用の技術では解決しない

「問題は発生したのと同じ次元では解決できない」というアインシュタインの金言があります。
風邪の治療は投薬ではなく、体質改善という次元の違う対策をしなければ根本解決には至りません。

この考え方は経営にも当てはまります。中でも、最近「人手不足は採用活動では解決しない」ということを痛感しました。
人手不足に陥っている企業の多くは、採用数を増やすことで問題を解決しようとしますが、手を打つべきポイントは「離職減」です。
人手不足は「入」(採用)よりも「出」(離職)が多いことで陥ります。出が多い状態で入を増やしても、それはザルで水をすくうような行為です。

出を減らすということは、社員さんに「この会社で働き続けたい」と思ってもらえるような魅力的な会社になることです。
しかし、こう言うと「魅力的な会社になるまでに何年かかるんだ。そんな悠長なことを言っていられない」と言う人がいますが、そんなに時間はかかりません。

その代わり覚悟が必要です。
今は理想な会社になっていないが、そうなる覚悟がありビジョンが描けている会社は人を惹き付けるのです。

今、経営支援で関わっている飲食店さんの事例を紹介します。
今、飲食店の人手不足は深刻ですが、同社もご多分に漏れず大変な状況にありました。人手が足りないことでメニュー開発や接客、集客がおろそかになり経営がおぼつかなくなり、さらに人手不足が加速するという悪循環に陥ってました。

その解決に社長が奔走していましたが、社長1人でなんとかなる問題ではありません。
そこで、全員で魅力的な会社づくりへの道を模索することにしました。社員さんは皆んな、「会社を良くしたい」と思っていますし、だからこそ現状に不満を持っているのです。
良くしたいと思っていない人は、とっくに辞めていますからね。

不満は大きなエネルギーを生みます。それが誰かの攻撃に向くと組織は崩壊しますが、課題解決に向くと、組織はもの凄いパフォーマンスを発揮します。

皆んなで「現状」を確認し、自分たちが「魅力ある」と思える「理想」を描きました。

「現状」…今いる場所
「理想」…行き先

この2つが明確になると、「方法」…行き方は現場に詳しい社員さんが教えてくれます。自分で考え発案した方法にはオーナーシップと責任と持ちますので、行動パフォーマンスは飛躍的に上がります。

結果的に、わずか3ヶ月間で見違えるように魅力的な職場になり、経営数字も改善しました。

まだ理想には到達していませんが、誰が見ても「この会社で働きたい」と憧れる、魅力あふれる会社になったのです。
同社の変遷を知る人は、口を揃えて「こんな魅力ある会社なら求人すれば人が集まるだろう」と言います。

同社の事例から、人手不足対策は、採用技術を超えた「別次元の対応」の必要性を学ぶことができます。

今、何かしらの問題を抱えていたら、一段高い次元から俯瞰して見てみるとシンプルな解決策が見えるかもしれません。


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