賃金以外の「選ばれる理由」をつくる事が、人手不足を根本から解決する

約2年前、僕はブログ記事で「最悪のシナリオ」を描きました。
「賃上げが企業の活力になるか、単なるコスト増で終わるか」

それは、賃上げムードが高まることで、賃上げができない企業の離職率が高まる、あるいは人を採用できなくなる、なので無理して賃上げをしたはいいが、社員さんのモチベーションは上がらず固定費だけが増え経営が苦しくなるというシナリオです。

たった2年でこれが現実となりました。
東京商工リサーチによると、人手不足解消のために賃上げをしたことで人件費が高騰し、倒産に追い込まれた中小企業が急増しています。にもかかわらず人手不足は一向に改善されていません。まさに踏んだり蹴ったりです。

僕が描いた最悪のシナリオは、かつて僕が体験したものです。新聞販売店の社長時代に、離職と採用対策で賃上げをしましたが、まったく効果はありませんでした。

その原因を後に知ることになります。

まず、賃上げと言っても、求職者から注目されるような大胆な賃上げはできません。他社と比べても「どんぐりの背比べ」と映るでしょう。しかし、それでも経費負担は相当に大きいものです。

賃金や労働条件、労働環境などを「衛生要因」と言いますが、それらは一定水準を満たさないと、社員は不満を感じモチベーションや生産性に悪影響を及ぼしますが、水準を超えると「あって当たり前」と認識され、それ以上の効果は期待できません。

以上から導き出される結論は、安易な賃上げは「人件費だけが上がり企業力は向上しない」ということです。

求職者が企業を選ぶ基準には「衛生要因」の他に「動機づけ要因」(働き甲斐)があります。
「どちらに関心がある人が欲しいか?」と問われれば、経営者であれば後者と答えると思います。
しかし、世の中の求人広告には前者を引き寄せるメッセージしか書かれていないのが現実です。

「今は心の豊かさの時代」と言われており、「お金のために我慢する働き方」に嫌気が差している人が増えています。
そういう人の心に刺さる、働き甲斐にフォーカスした求人広告を出せば、賃上げに頼らない採用が可能になります。

求人広告には、「働き甲斐ある仕事です!」なんていうぼやけたメッセージではなく、リアルなイメージが湧く、切れ味鋭い訴求が必要です。

「ウチは、そんな働き甲斐ある会社じゃない」と尻込みする方もいると思いますが、今はそうでなくても、目指す意志があれば、そう伝えれば良いのです。

僕が描く最良のシナリオは次の通りです。

「働き甲斐を求める人材と出会い、創造的な仕事をして付加価値を高め、賃上げが実現する」

今は、中小企業の踏ん張りどころだと思います。

正しい手順でお互いにがんばりましょう!

心に刺さる求人メッセージをつくりましょう!


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