指示ゼロ経営になると、こんなにも解放されるリーダー孤独

リーダーは孤独、そう言う人がいます。
僕も23年間、社長をやってきましたが、本当にそう思うことが数多くありました。
同時に、仲間がいて良かったと心から思う瞬間も同じくらいありました。

孤独から完全に解放されることはないけど、随分と楽になることは十分できると思っています。

指示ゼロ経営になる前、僕にとっての一番のストレスは社員から批判されることでした。
僕が社長に就任したのが1995年、インターネット時代の幕開けの年であり、新聞市場の衰退が始まった年です。

正解が分からない、何をやって良いか分からない中で自分なりにPDCAを回して頑張ってきました。
勉強をして、計画を立てて、社員会で発表をして、采配を振るい、常に結果を観察して修正をしました。

ところが、今の時代、PDCAは何度も何度も繰り返さないと成果は出ません。
しかし、僕1人でやると社員は僕に振り回れて疲弊しまうのです。
そして不満が出る。

「社長って勝手だよね」「一貫性がない」「振り回されるウチらの身にもなってほしい」

会社を良くしようと思い頑張ってきたのに、社員に裏切られた気持ちになり悲しくなりました。

指示ゼロ経営では、自分たちで知恵を出し→自分たちで役割分担を決め→行動し→結果を検証→改善します。
要するにPDCAに社員が主体的に関わるというわけです。
変化を自分たちでつくり出すので気持ちはイケイケになりますし、仕事が愉しくなり創造性が高まりますので結果も伴います。

指示ゼロ経営では、社長が1人で賃金決めをする孤独と不安からも解放されます。
社員を安く使いたい。給料を上げたくないと思っている社長はいません。少なくとも、僕の周りの社長は、みんな社員さんの給料を上げたいと願っています。

願ってはいるのですが「ある事情」から躊躇しています。日本には終身雇用の文化が根強いので簡単に解雇はできませんし、一度上げた賃金を下げることもはばかられる文化があります。
良くも悪くも家族経営的なんですね。
だからイザという時のために蓄えに回してしまうのです。

業績と賃金との間に連動性を持たせ、かつ、賃上げに必要な業績をつくる「たくらみ」を一緒にできたら、社長はずいぶんと楽になります。
勿論、業績が下がった時は賃金も下がりますが、「たくらみ」を一緒にする文化があれば、賃金は上昇する方にエネルギーが向きます。

指示ゼロ経営で賃上げをした社長を何人も見てきましたが、みんな嬉しそうでした。

ただし、業績連動型の賃金制度をつくるためには、業績の乱高下の少ない経営が求められます。乱高下は心の安息を乱し、経営が雑になります。業績安定には「顧客との関係性」が不可欠です。それは「好かれる」「信頼される」「共感される」という3つの要素で実現します。老舗と言われる企業を思い起こせば分かりますよね。
この3つを社員とたくらみ、PDCAを回し続けるというわけです。

指示ゼロ経営になるとリーダー1人で抱え込むことが少なくなり、これまでよりも孤独や不安は軽減されると思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。


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