困っている人が詐欺に遭うように、組織が「あり得ない意思決定」をする時

三人寄れば文殊の知恵の逆は「集団バカ」です。専門用語では「集団浅慮」と言います。
英語では、グループ・シンクと言うらしいです。

集団バカは企業経営に付きまとう重大な課題だと考えています。
集団バカは、昔から研究が行われてきて、次の3大要因があると言われています。

1、リーダーへの忖度
2、村社会
3、意思決定を迫られるストレス

1つ1つ見ていきましょう。

1、リーダーへの忖度
リーダーへの忖度は、何も怖いリーダーのもとで起きるわけではなく、優秀で慕われているリーダーのもとでも起こります。リーダーとしての資質が裏目に出るわけですから怖いことだと思います。

2、村社会
「出る杭を打つ」「場の空気に水を差す」「KY」など、日本人には空気を読むことを美徳とする文化があり、すべての企業が村社会の性質を帯びていると思います。

3、意思決定を迫られるストレス
難しい課題に直面した時に、すぐに結論を出すことを要求されるとストレスがかかります。すると、テキトーな結論を出してしまうことがあります。

こうした「集団バカ」に拍車をかけるのが「迷信」です。
人は迷信に弱い一面を持っています。
何かの本で読んだうろ覚えの話なのですが、ある時、科学者御一行が観光か何かでエアーズロックに行ったそうです。
みんなが「広大な大地に、どうやって巨大な岩が誕生したのか?」と不思議がっていたところ、ガイドが「ああ、あれは大昔、神様がポンと置いたのです」と言ったところ、妙に納得してしまったという話です。

私たちは、迷信みたいな根拠のないことをもとに意思決定してしまうことがあります。
以前に、業績好調の企業に取材をした際に、社長に「業績好調の理由は何ですか?」と聞いたところ、「毎日、掃除をしているので金運が上がっているのだと思います」と真剣に言っていました。
よくよく話を聞くとカラクリが観えてきました。その会社は、自助努力ではどうしようもできない外的要因で売上が左右されることがあると言います。
どうやら、状況の波と掃除がタイミングとして合致したのです。そこに、掃除をすると金運が上がるという話を聞き、すっかり信じてしまったというわけです。

本当の理由は、環境整備による業務の最適化という必然的なものだと思います。

「継続していれば、神はご褒美をあたえるはず」
「お金は循環するものだから、使った方が入ってくる」
「これだけ失敗したのだから次は上手くいく」

多分、勘違いだと思います 笑

集団バカ3大要因の状態にいる時に、誰かが迷信を言うと、「ああ、そうだ!」とみんなが納得することがあるので注意が必要です。

以前に、僕のブログの読者が「米澤さんのブログを読んだ日は、仕事が上手くいく」と言いましたが、それは本当ですよ! 笑笑笑

というわけで今日も素敵な1日を!


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