上司は「いるだけ」なのに人と組織が育つワケ

以前、僕は、「名ばかり管理職養成講座」なるものを真剣に考えたことがあります。
組織が育ち、自律的になると、管理職が「いるだけ」になるという現象から、そう名付けました。
いるだけなのに、抜群にチームワークが機能し、素晴らしい成果を上げるのです。

そんな素晴らしい組織で起きていることを今日の記事で考えたいと思います。

従来の組織形態は、上司と部下が1対1で繋がり、報・連・相を通じ、仕事を進めます。
上司が、計画を立て、1人1人の部下に仕事を振り分けます。
部下は、日々、上司に仕事の進捗報告や、進め方やアイデアの相談をします。

上司は、計画立案の他にも、「部下1人1人の進捗状況の確認」「問題提起」「指導」「モチベート」(ヤル気を引き出す)といった役割を担います。

今、この方法の限界が露呈しています。
プレイングマネージャーが多く、そもそも、部下との対話に時間が割けないマネージャーが増えています。
上司にも正解が分からないことが多く、的確な指示やアドバイスを出すことができなくなっています。
そこで、コーチングの技術が注目されます。しかし、上司とメンバーの1対1の関係が強化されると、メンバー同士の横のつながりが希薄になります。すると、部下は、自分の仕事しか見れなくなり、チームワークが低下します。

リーダーが、1対1の関係から、集団に対しコーチングを行うようになると、チームの自律性が育ちます。
すると、これまで上司が一手に担ってきた役割が、部下集団に埋め込まれます。
チームが有効に機能する要件を、メンバーが理解し、誰かが最適なアクションを起こします。

先日、対談した経営者の会社では、自律性が育ったことで、次のような変化が起きたそうです。

□社長が問題提起をする前に、メンバーの誰か、気付いた人が提起するようになった。
□メンバーが自発的にミーティングを開き、全員の進捗を、全員が確認するようになった。
□困っている仲間を、仲間同士で支援するようになった。
□定期的に「学び合い」の場を設け、自発的に学習するようになった。
□仲間の頑張る姿に刺激され、チームが活性化した。
□行動が早くなった。
□素晴らしいアイデアが出るようになった。

僕が、その経営者の方に、「あなたは何をしているんですか?」と聞いたら、「いるだけです」と言いました。
これは、実に深く、「居る」だけですが、「要る」存在なのです。
(この件は、また別の機会に記事にしたいと思います。)

また、「これまで私が一手に担ってきた役割を、ちゃんとチームワークで出来ているか、客観的な視点でチェックすること」と言っていました。
とても大切なことだと思います。

余談ですが、「名ばかり管理職養成講座」をやらなかった理由は、管理職だけをトレーニングしても自律的なチームは育たないからです。
全員で学び、共通認識をつくらないと、成し得ないのです。

というわけで、これからも「全員で学ぶ場」をたくさん提供していきますので、ご活用ください。
とりあえず、今日の記事は、メンバーみんなで共有することをオススメします。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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