「労使」「売り手と顧客」の境界線が消え、みんなが当事者になる経営

ビジネスには、「労使」「企業側と顧客側」など、様々な境界線が引かれています。
僕は、今後はこうした境界線がないニュータイプの企業が増えると考えています。

「当事者」としてひとくくりになる関係性です。

僕は、23年間の新聞店の経営で、何度かそれを体験しました。
ある30代の女性社員は、会社のコンセプトをキャッチコピーやビジュアルで表現するのに長けていた逸材でしたが、結婚を機に退職してしまいました。僕は、身体の一部を失ったような痛みとショックを受けました。

しかし、退職後、僕が会社に行くと、これまで通り彼女が会社にいて、一緒にミーティングに参加して、いつもの机で仕事をしていることがあるのです。
事情を聞くと、当社から外注を受けて仕事をしているとのことでした。
雇用関係から取引パートナーに変わっただけ…制度上のくくりが変わっただけで、本質は何も変わっていないのです。

僕は、これからは雇用という縛りから解放された人が増えるだろうと思ったのです。

当社では、年に1回、クラフト市を開催しています。15年ほど前に、地域の方と一緒に「100先に残したい地域をつくろう」という思いで始めました。
当社が事務局になり、地域の方と実行委員会をつくり企画から当日の運用までを行っています。
今では、人口2万人の小さな町なのに、8000人以上が来場するイベントに育ちました。

ある年、イベントを1ヶ月後に控えた日のことです。僕が出社すると、知らないおばさんが仕事をしていました。
僕が「どなたですか?」と聞くと、「あんたこそどなた?」と返されました 笑
話を聞くとイベントの実行委員の方でした。

実行委員の多くは当社にとっては新聞の購読者、お客様です。
売り手とお客様の領域が曖昧になっていたのです。

紹介した2つのエピソードに共通するのは、思いを共有した関係性であるということです。

僕は、この現象を見て「望みの統合」という概念を生み出しました。
リーダーが望むことを、同じように社員が望めば、指示命令をしなくても動いてくれます。
余計な管理は要りません。
顧客が望んでくれたら、顧客が味方になります。自発的にお友達を紹介してくれたり、イベントなどのお手伝いをしてくれるようになります。

味方が増えるので、力学的に合理な経営になります。

逆に、望みが分離していると、望まない人を動かすためにアメとムチが必要になり、経営が複雑になります。
どんなに上手にコントロールしても、自発的に動く人には敵いません。

僕の周りには、この境地に達した企業がいくつもあります。
それらの企業に共通することは、経営の目的の違いです。
利益を目的にすれば、顧客や地域の幸せは手段になります。
顧客や地域の幸せを目的にすれば、利益は結果的に起きる現象であり、活動を推進するための手段と位置づけられるのです。

どちらに味方がつくかは自明ですよね。

僕は、時々、自分の望みを振り返るようにしています。

僕の望みは、顧客が望むことか?
顧客の顧客が望むことか?
社会が望むことか?

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