これからは、スペックでは評価できない「感性価値」が大切な時代になる

今、世の中で、「機能的価値」から、「感性価値」にウェイトが移り変わっています。

機能的価値とは、製品やサービスの機能・性能に対する価値です、自動車で言えば、燃費性能、トルクと言ったものです。
スペック(数値)で評価できるものが多いです。

感性価値とは、文字通り、感性で評価される価値です。人の感性に 働きかけ、感動や共感、関係性に重きが置かれます。
スペックでの評価は非常に難しいものです。

社会が成熟すると、感性価値を求める人が増えます。

僕は、価値の移行を肌で感じた世代です。
僕が子どもの頃、「いいお店」とは、スペックの良い店でした。

「ねぇねぇ、バイパス沿いにできた新しいお店、すごく大きくて品揃えが豊富で、安いんだって」

こんな会話がよく聞かれました。
評価は、「売場面積」「品揃えの豊富さ」「価格」などのスペックです。

こうしたお店のKPIは、例えば「レジ通過人数」です。
営業時間内に、滞りなく、効率的に顧客がモノをレジに持っていってほしいのです。

店舗のつくりは機能的で、僕が「学校型」と呼ぶ、管理がしやすいスッキリとした構造を好みます。
(ちなみに、学校と刑務所と病院は、同じ発想=管理しやすく作られています。)

「これをインプットをすると、このアウトプットが生まれる」という、テクノロジー発想が大好きです。
会議では数字の話がメインになります。

社員は、モノを効率よく陳列し販売する機能として扱われます。
よって、マネジメントは管理、統制型になります。

こうしたビジネスのお陰で、生活者は一通りのモノを手にしました。

そして今…
妻も、友人たちも、多くの人が、巨大なショッピングモールを指して、「行っても欲しい物がない」と言います。
欲しい物が決まっている時は、行けば何でも揃い便利なのですが、心躍るものに出会うことは期待していません。

ウチの近所に住む若者はしょっちゅう行っていますが、理由を聞いたら、「人が大勢いるから」だそうです。

今、感性価値を求める人が増えています。
そんな人たちは、「米ちゃん、“いい感じのお店”を見つけたよ」と、僕に教えてくれます。
スペックで評価できないから「いい感じ」という感性的な表現をするのです。

僕の師匠が、感性価値創造型のビジネスを専門にしているお陰で、僕の回りには、そういう人たちが大勢います。
機能的価値を重視する経営とは、まったく異なるKPIを持っています。
顧客との関係性、信頼関係、共感といった「関係性資本」です。
「心のゆらぎ」を大切にします。
会議の議論するメインテーマは顧客です。

友人が経営するメガネ店は都内の一等地にあります。
店舗に、顧客とのコミュニケーションスペースがあるのですが、多くの経営コンサルタントが、「売場面積の無駄遣い」と指摘するそうです。
住む世界がまったく違うので、アドバイスのほぼ全てが役に立たないと言います。
見ている世界がまったく違うのです。
関係性資本が形成されるまでは、効率の良い経営…時間あたりの利益は低いのですが、ひとたび形成されると、どっしり安定した商いになり、非常に効率がよくなります。

マネジメントは創造性や人間性が豊かになる、自律性を重視したスタイルを取ります。

いかがでしょうか?
分かりやすくお店(小売業)を事例に説明しましたが、あらゆる業種に言えることです。

僕は、どちらの経営が正解、という風には考えていません。
業界により、あるいは、業界の成熟度などにより立ち位置が変わります。
立ち位置とは、機能的価値 or 感性価値…白か黒か?ではありません。
どちらも求められるという業種、企業もあります。

ただ、社会の成熟化が進むほどに、感性価値を求める人が増えることは間違いがありません。

立ち位置を定めると、全てが変わります。
あなたの会社は、どこに立ちますか?

というわけで今日も素敵な1日をお過ごしください。

指示ゼロ経営の公開セミナーはこちらから
・指示ゼロ経営マスタープログラム
・賃金制度構築セミナー
・採用術セミナー

指示ゼロ経営講演会
経営計画発表会や新年決起大会の後に!
・自発的に働く意義と愉しさが体感できる。
・事例9連発!「自分たちにもできる」と行動意欲が高まる。
2024年1月〜4月の予約を受付ております。

社内研修のご依頼はこちら
みんなで学び一気に指示ゼロ経営の文化を創る。
指示ゼロ経営の社内研修は1ヶ月あたり3社のみ開催します。

■自宅で指示ゼロ経営を学びたい方!
書籍「指示ゼロ経営」(内外出版社)
書籍「賃金が上がる!指示ゼロ経営」(内外出版社)
動画セミナー「指示ゼロ経営基礎編」

無料相談窓口「空」受付中
指示ゼロ経営についての疑問、質問や、各種研修の相談など。
お気軽にどうぞ!

読者登録してね!
・読者限定セミナーのお知らせやブログの更新情報が届きます。
・外部機関が主催するセミナー(無料~3000円ほど)にご参加いただけます。