出世を望まない日本人に合った組織マネジメント

日本人が管理職になることを望まないというのは、みんな感じていることだと思います。
僕が大学を卒業した30年前には、すでにそういう風潮がありました。
この30年間で、この傾向はさらに進んだと思います。

パーソル総合研究所が行った調査では、世界各国の中でも日本人は突出して、管理職になりたがらないことが浮き彫りになりました。
調査対象になった国の中で、最も高かったのがインドでした。86%以上の人が管理職になりたいと答えました。
日本人は、なんと21%です。
日本人の1つ上のニュージーランドが41%なのだから、日本人だけが極端に低いことが分かります。

出世を望まない原因は根が深いです。
日本企業は「共同体」の色合いが強いので、出世してもそんなに賃金は上がりません。
強力な権限、権力を与えられるわけじゃないのに、責任は負います。
残業も増える傾向にあります。
苦労が多く、胃を痛めるわりには魅力がないというのが原因だと分析されています。

部下よりも、胃薬を買う分、給料が高いのね 笑

日本は、アメリカのように、管理職に強力な権限が与えられ、ドンと給料が上がる代わりに、ダメならいつでも降格という文化にはならないと思います。

同志社大学の太田肇教授によると、こうした原因に加え、出世すると嫉妬されるリスクもあると言います。
この傾向は女性に顕著で、太田教授の調査によると、男性よりも3倍も嫉妬を受けるそうです。

そんな中にあり、僕が知る女性管理職は、まったく違う世界を生きています。
6月に発売予定の新刊の中で、指示ゼロ経営の実践者として、事例紹介で登場する女性管理職です。

5人の部下を持つチームリーダーですが、出産直後で時短勤務を行っているため16時には退社していますが、全く問題はありません。
その理由は、通常の組織ではリーダーが一手に担う、問題提起、指導、進捗確認、モチベート(ヤル気を引き出す)といった役割を集団の中に埋め込んでいるからです。

もちろん、最終責任はリーダーが負いますが、メンバーがチームの課題を完全に自分事にしているのです。
会議の様子を聞かせてもらいましたが、リーダーはほとんど喋っていませんでした。

しかし、最初からこうだったわけではありません。
チームが指示ゼロ経営になる前は、自分が頑張らないとチームは機能しなかったと言います。
時短勤務による弊害が出て、管理職を辞退することも考えたそうです。

それが今では、社内で一目置かれるリーダーになったのです。
(少しは嫉妬もされていると思いますが)

指示ゼロ経営は、共同体感覚が強い日本人に合った組織体だと思います。
部下よりも高い給料を、胃薬ではないたのしいものに使うことができると思いますよ!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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