人を惹きつけるプレゼンは、その人の「過去−現在−未来」の物語が詰まっている

初体験の人に、自分や会社を紹介するのも、社内で経営計画発表をするのも、顧客にプレゼンをするのも、採用活動で自社をアピールするのも、全部、基本は同じです。

上手な人のプレゼンは、言葉の意味を超えて、心に響くものがあります。

人の行動のエネルギー、モチベーションは「情動」から生まれます。
どんなに正しい理屈を伝えても、心が動かなければ、商品は買ってくれないし、求人に応募することはないし、社員を巻き込むことはできません。

プレゼン上手な人は、わずか3分間で人の心を掴みます。
その3分にドラマが詰まっているのです。

僕が心を動かされたプレゼンを紹介します。
なんと、小学5年生の「S君」のプレゼンです。

その子と出会ったのは、夢新聞教室でした。
夢新聞とは自分の夢が叶い、将来、新聞に載ったと仮定して、その新聞をイメージして、手作りで新聞をつくるワークスです。
未来の日付を入れ、文章はすべて完了形で書きます。

その日のワークショップは、みんな初対面だったので、最初に1人づつ自己紹介をしました。
S君にマイクが渡されたのですが、なかなか喋り始めません。

第一声を発した時に理由が分かりました。
彼には吃音(どもり)があり、スムーズに喋ることができないのです。
それでも彼は一生懸命、振り絞るようにこう言いました。

「僕には吃音があります。今日はご迷惑をかけてしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。困った時は助けてください」

僕は、S君がどんな夢を描くか楽しみでした。

夢新聞ワークショップでは、最後に1人づつ自分の夢を発表します。
彼の番が来ました。どもりながら一生懸命に発表しました。

「長野県の教育委員になった」

どうして教育長なのか?…その理由を聞いたら、障がいがある子も、そうでない子も、同じ教室で学べる「インクルーシブ教育」を実現したいと言うのです。
特別支援学級で学んだ子が、社会に出た時に、特別に支援してくれる人がいる保証はありません。
だから、普段から、自分が苦手な分野は他者の力を借りる訓練が必要だと考えているのです。
インクルーシブは、障がいがある人にとっても、ない人にとっても、双方にメリットがあります。
S君は、自分の体験から、そのことを知っているのです。

だから、自己紹介で「力を貸してください」と言ったのです。

S君のプレゼンは、S君の「過去−現在−未来」を1つの物語にして伝えたのです。

夢は、その人の価値観や想いが開花した未来です。
価値観や思いは、何もないところに降ってくるものではありません。過去の経験・体験から醸成されるものです。
夢とは、未来のみにあるものではなく、過去からの延長として紡がれるものだと思います。

物語を伝えると、聞いた人は、その人と、その長い時間を共有したような錯覚に陥ります。
そして、夢を応援したくなります。

多くのプレゼンや自己紹介は、現在の紹介か、未来の計画だけになっています。
紹介すべきは、過去から未来の物語だと思うのです。

きっと、あなたの夢を応援してくれる人が、もっと現れるはず。

ではでは、今日も素敵な1日をお過ごしください。

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