あなたのお金の使い方は、あなたの志、そのものである

企業はお金の使い方で稼ぎが変わると言います。
使い方で、その企業が大切にしていること、志が観えてきます。
また、その「大切にしていること、志」は時代にマッチしているか?というチェックも重要だと思います。

2020年5月に経産省が作った「未来人材ビジョン」には今の日本社会、企業が抱える課題が浮き彫りにされています。

「日本企業の従業員エンゲージメントは、世界全体でみて最低水準にある」
「企業は人に投資せず、個人も学ばない」
「東証一部上場企業の合計時価総額は、GAFAM5社に抜かれた」

など、見ているだけで気持ちが暗くなるレポートですが、現実から目を反らすわけにはいきません。

レポートの中に、「投資家が、中長期的な投資・財務戦略において最も重視すべきだと考えているものは『人材投資』であるにも関わらず、企業側は『設備投資』を重視している」という項目があります。

ここが急所だと思いました。
以前の大量生産・大量消費の時代ではいかに効率よくモノを作って市場に流すか?が命題でしたので設備投資が最も重要でした。

しかし、成熟社会に入り、生活者はモノに満たされ、欲求が高度、抽象的になりました。
「おもてなし」に代表される付加価値の高い商品・サービスが求められます。

非常に高い創造性が求められる時代になったのです。

創造性は人間の専売特許です。
だから、人間性重視の経営が求められるし、人間への投資が重要になるわけです。

僕は、ホワイト企業大賞の審査委員を通じ、人への投資の優先順位が高い企業に出会ってきました。
本年度のホワイト企業大賞で特別賞を受賞した、岩手県花巻市にある「税理士事務所ランニングパートナーズ 」(鈴木陽介代表)が、その典型です。

ホワイト企業大賞のインタビューで同社にお邪魔した時に、月次損益計算書を見せてくれました(なんと、どんな人にもフルオープン!!)

固定費の内訳を見ると、大きく「人件費」と「人件費以外の経費」に分かれていました。
項目は「重要度」順に上から下へ並んでいますが、僕が注目したのは「人件費以外の経費」の並びです。
一番上に「研修費」がありました。
同社はまだ小さな会社で後継者もいないことから、もし会社に何かあった場合でも、社員が、他の会社から引く手あまたになって欲しいという願いが込められています。

また、鈴木さんは「研修費は人件費と同じと」と言います。
その意図は、同社の社員さんは、みんな学ぶ意欲が高く、給料の一部を学びに使いますので、それが支給前か後かの違いだけと考えるからです。

さらに「社会貢献費」「広告宣伝費」といった項目…成熟社会の経営にとって大切な順番で並んでいました。
社会貢献費は1人あたり約20万円ほど用意されていて、地域貢献になることであれば、社員さんは自分の判断で使うことができます。

例えば…

・就労支援施設から毎月継続してお菓子を購入
・東日本大震災の被災地支援
・毎日の地域清掃に関係する費用
・地域向け講演会開催の費用

などに使われています。
ちなみに、インタビューの翌日、「社会貢献費はどうも名前がしっくりこない『社会感謝費』にしようと思う」というメールが来ました。

さらに、鈴木代表は「広告宣伝費はゼロにしたい」とおっしゃっていました。
地域貢献を重ねることで紹介が増え、広告宣伝が不必要になることを目指しているのです。

余談ですが「雑費」の項目は空欄…0円でした。
お金は意図を持って使うべし、「雑な費用などない」という考え方の表れね。

さて、いかがでしょうか?
僕は自分と同じ考え方を持つ経営者、しかもお金の専門家と出会えた事に嬉しさと希望を抱きました。

素敵な出会いに感謝して、ワクワクが止まらず今日のブログを書いたのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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