収益のために働き甲斐が必要なのか?働き甲斐があるから収益が上がるのか?

以前に、ある農家の方が「農業行事では、人は収穫祭には来るけど、土作りにはなかなか来ないんです」と言っていました。
気持ちは分かるな〜
土づくりって地味だもんね。

豊かな土を作ると、自ずと良い野菜が取れるのに、大切なことを避けて成果だけを求めても良い野菜は育たないというわけです。

実はこの話、農業ではなく経営の話をしている時に出た言葉なんです。
経営も同じで、ちゃんとした土壌を作ればちゃんとした収穫物が取れるということ。

しかもそれは、ちょっとややこしいのですが…「手段と目的」の関係性ではない。
目的(収穫物)のための手段(土づくり)という因果関係ではないという事です。

どういう事?…少し頭が混乱するかもしれません。

僕は、ホワイト企業大賞の企画・審査委員をやっています。
(ここで言うホワイト企業とは、社員さんの働きがいや社会貢献をに力を入れている企業を指します)

本当に素晴らしいホワイト企業に出会ってきて発見したことがあります。
それは、「社員さんが仕事を通じて得られる働きがい、幸福を最も大切にしている」ということです。

「儲けるために働きがい、幸福をつくる」という構図ではないのです。

豊かな人間関係、自分の意志で物事を決める、他者へ貢献している実感、仲間との協働の中で自分の居場所ができる、仲間への感謝と尊敬…幸福に生きる上ですごく大切なことを追求しているのです。
そして、結果、幸福感が創造性を発揮させ仕事のパフォーマンスが上がります。
最終的に「現象として」収益が生まれているのです。

こう書くと、「やっぱり目的(儲け)のための手段(幸福度)という因果関係じゃん」と思われるかもしれませんが、少し違うのです。
なぜならば、目的ー手段の関係というのは、「手段はたくさんある」という考え方に基づきます。

だから、儲けの手段は幸福度以外にもあるだろ、となり繁栄の根本原因である働き甲斐、幸福感などをが疎かになってしまうのです。
以前の成長期ではそれでも良かったかもしれませんが、成熟期の今ではそれでは難しいと考えるのです。

「幸福度=根本原因」と捉えるのが適切だと考えています。

すると「根本原因である社員の幸福度のためには儲けが必要。だから儲けが根本原因ではないのか?」と言う人がいます。
確かに、儲かり賃金が上がれば社員さんの「満足」は上がりますが、創造性の鍵を握る幸福度にはほとんど関係がないのです。
(ただし、低すぎて生活に困窮するようでは満足度は下がる)

ホワイト企業大賞でご一緒している、ネッツトヨタ南国の横田英毅さんのおっしゃる「大切なことは大切なことを大切にすること」という言葉の重みを、改めて心に刻んでいます。

御社にとっての土壌とは何でしょうか?

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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