研修を単なるイベントで終わらせないために

僕が講師業をやる中でとても悲しいことは、研修が単なるイベントで終わってしまうことです。
イベントとは、「ああ、良いことを学んだな〜」で終わり日々の仕事に活かされない状態を言います。

あるある話だと思いますが、研修から帰ってきた時は意気揚々としているのに、3日も経つともとに戻ってしまうという経験は誰にもあると思います。

「教育失敗」というやつです。

これを防ぐ効果的な方法があります。

僕は、毎年6月にとある商工会議所で中堅社員さんを対象にした研修を行っています。
今年で4年目になりますが、初年度から2年目で大きな進化を遂げました。
明らかに受講中のモチベーションが上がり、また現場に戻ってからの行動が変わったのです。

何を変えたのか?

それは「行ってらっしゃいカード」なるものを、事前に上司(社長)から部下(受講者)に渡してもらったのです。

実は、研修後の行動変容に影響を与える事柄があり、影響が高い順に次のようになります。

1、研修前の上司の関わり
2、研修前の講師の関わり
3、研修後の上司の関わり

なんと1番と3番が上司なのです。
いかに他人任せが良くないかが分かりますよね?

行ってらっしゃいカードには上司から部下へのメッセージを書いてもらいます。

□なぜ、この研修に参加してもらいたいのか?(会社の狙い)
□この研修でどんな変化を遂げて欲しいか?
□期待の言葉

優れた上司は、「期待の言葉」が上手だと感じています。
部下の成長を自分の成長として喜べるマインドを持っています。

「今、会社は◯◯に取り組もうとしていて、そこには◯◯さんの力が欠かせません。今回の研修で◯◯を学んで、大活躍して欲しい」

ところが、中には、期待ではなく単なる「一方的な要求」になっている上司もいます。

「◯◯さんはもう入社5年目だから、もっと◯◯ができるようになってほしい」といったニュアンスです。

どちらが自発的で創造的なモチベーションを生むかは自明ですよね。

また、研修から帰ってきた時の関わりも違います。
部下が何を学び、何に気付いたのか?に関心を示し、部下に語ってもらっています。
まるで子どもが学校で学んだことを得意げに話すように。
そして現場でどのように活かすかを質問して語ってもらっています。

上司によっては、チームメンバーも交え対話し、仲間のサポートを促す達人もいます。
(本人だけでなくチーム全体を育ててしまう)

いかがでしょうか?
こうしたコミュニケーションで研修効果を最大に高めることができます。
研修前、研修後はあなたのサポートを必要としているのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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