「奪う人」から組織を守るには。
従来「搾取」とは、強い立場の者が行うものですが、最近、立場逆転現象が起きています。
ビジネス界では「社員に搾取される会社」が増えています。
会社を搾取する人たちに共通する特徴は「駆け引き」で、できるだけ少ない労力で多くのリターンを得ようとします。経済合理性の追求という視点からすれば優秀なのですが、そんな人を雇ったら企業は大変ですよね。
搾取される企業の方にも特徴があります。
それは「そういう人」を引き寄せる発信をしているというものです。「そういう人」とは、「テイカー」です。
『GIVE & TAKE』という著書で有名なアダム・グラントは、この世には3種類の人間がいると言います。
ギバー…与える人
テイカー…受け取る人
マッチャー…ギブとテイクのバランスをとる人。
すぐに「ああ、あいつだ」と心当たりが浮かびませんか?
テイカーの中には、自分の得のためなら他人を利用する事もいとわない人がいて、搾取するタイプがこれにあたります。
三者の中で、最も成功する可能性が高いのがギバーであると同時に、最も損をするのもギバーだと言われています。
その理由はテイカーに搾取されるからです。
組織内にテイカーがいると、人間関係とチームワークにも暗い影を落とします。テイカーは利得がなければ他者を支援しません。
しかし、本当に困っている人は、差し出したくても何も差し出せません。だから、テイカーが多いと、本当に助けが必要な人が見捨てられるという組織に堕落するのです。
そんな組織で人間が創造的に活動できるはずなどありませんね。
どうすれば、テイカーから身を守ることができるのでしょうか。
テイカーは、手っ取り早い利得を得ようと近づいてくるので「短期的な利益を提示しない」ことになります。
その要諦は「魚を与えるのではなく、釣り方を教える」ということ。
搾取される企業は、求人などで手っ取り早い利得をアピールしています。
その典型は、賃金、福利厚生、労働条件(勤務時間や休日数など)などの「待遇」です。待遇を目的とする人は、入社がゴールで、入った途端にテイカーに変身します。
なので、採用で、顧客や社会、仲間への貢献を謳い「それを一緒にやってくれる人を募集します」と訴求するのです。
手っ取り早い利得が訴求されていないのでテイカーの感心はひきません。
三者の中で、最も成功するのはギバーだとすれば、ギバーを採用した組織は「最強の運」を掴むことになると思います。
そのために、採用などの発信では「すぐには手に入らないもの」を伝えること。
それが運の良い人を引き寄せる王道だと考えています。
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