「くしゃみは時速300キロ」の嘘に学ぶ、経営の常識の間違い

アリストテレスが紀元前350年ほど前に「女性の歯は男性よりも少ない」と主張したことが、なんと、その後2000年に渡り信じられてきたという話があります。

「そういうものだ」」と疑うことなく信じている事があります。

あるいは「くしゃみの速度」のように間違って広まっていることもあります。
ネットで調べると、医者などの専門家でさえ「時速300キロ」と言っていますが、最新の測定法(高周波粒子画像流速測定法)では時速60キロほどだという事が分かっています。

経営にも同じような間違いがあります。
経営は社会科学なので時代の変化に応じて有益な方法は変わるから、「当然そうだ」と思っていたことが当てはまらなくなる事が多くあります。

今日の記事では、その中でも非常に多くの企業が行っている「アメとムチの使い分け」を考えたいと思います。

おそらくアメとムチの使い分けは最も古くから使われてきたマネジメント法だと思います。

褒めるなどの態度から、賞与や表彰などの物理的なご褒美まで、本当に多岐にわたり使われています。
これは、「経営が決めた事を従業員がやる」というパラダイムで開発されたものです。
100年以上も前、フレデリック・テイラーが開発した科学的管理法が有名です。

経営陣は作業の効果的なやり方を考え仕組み化します。
従業員は決められた手順に従い作業を行い、それが上手にできた者が経営から評価され報酬を受け取ることができます。

ベルトコンベアが典型です。
まさに「従業員」というネーミングがピッタリな働き方ですね。

この管理法は単純作業には有効ですが、創造的な仕事には通用しません。
通用しないどころか、創造性や自発性が破壊されしまうことが分かっています。

※詳しくはこの記事を読んでね。
「社員の自律性が高まる環境づくりに必要な2つの要件」

アメとムチの使い分けは単純作業には役立つが、創造的な仕事にはマイナスに作用するのです。

今、過去にないくらい創造性が求められています。
例えば、今から35年も前、僕が高校生の時にファミレスが発展しましたが、店員さんの「いらっしゃいませ~!○○へようこそ」というマニュアル通りの接客が輝いて見えた時代がありました。

今では、マニュアル通りにしかできない事が顧客の不満を生む時代になりました。
消費感性が高まり、「おもてなし」に代表される高度なサービスを求めるようになった。

その時、その状況、その相手に応じてオリジナルのサービスを開発するわけですから、相当な創造性と自ら考える習慣がなければ難しい。

何よりも仕事が好きで愉しむ雰囲気がある職場でしかできない芸当だと思います。

いまだに、経営コンサルタントが提唱する方法の多くはアメとムチのコントロールの発想に基づいているものが数多くあります。

自社が置かれている状況を分析し、「そういうものだ」に疑いを持つことが大切だと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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