部下を自慢するリーダーのもとで人と組織が育つ理由

人材がよく育つ組織のリーダーは、いつも部下の自慢話をします。
これ、間違いない。
逆に、育たない組織では、いつもリーダーが部下のことを嘆いている、そんな事実があるように思えます。

優秀な部下がいるから自慢したくなるのか?
自慢するから育つのか?

卵が先か鶏が先かという議論ですが、僕は自慢するから育つと考えています。
もちろん、育てば自慢したくなる、好循環が生まれると。

どうしてそういう事が起きるのか?…今日はその要因について考えたいと思います。

リーダーのつぶやきは呪文である

リーダーがつぶやいた内容が集団に伝染する、そんな現象が確かにあります。
僕はこれを数多く体験しました。
一番、分かりやすいサンプルが夢新聞の活動です。
これまで9000人以上を対象に、ある意味での実証実験ができたと考えています。

夢新聞では制限時間内(65分間)にクラス全員が夢新聞を完成されるというミッションを与えます。
講師も担任も何を聞かれても教えません。全て自分たちの力だけで挑戦してもらいます。

突然の無茶振りに子どもたちは動揺しますが、必ず集団は動きます。必ずというのは100%です。
最初は一部の果敢な子どもたち(イノベーター)が動きます。
彼らは講師が意図する「全員達成」の意味を理解しています。助け合い学び合い、全員達成することが全員にとって得だという事を理解しているのです。

講師は、イノベーターの動きをつぶやきます。
全員に聞こえるようにつぶやくので大声になりますが(笑)
「おお、早速、困っているお友達を助けている人がいるね〜」などと。
子どもたちは、「このオッサン、何を言っているん?」って顔をしますが、つぶやきを聞いた子からミッション達成の行動が拡大していきます。
※この方法は、上越教育大学の西川純先生の研究知見『学び合い』から多大な影響を受けています。

逆に、ダメな行動をつぶやくとどうなるでしょうか?
ダメと言わても「じゃあ、どうすれば良いのさ」となる…具体的な行動が分からないので何もできませんよね。
これが続くと、下手に動くと怒られると学習し萎縮した集団になってしまいます。

僕は部下を自慢するリーダーの集団で同じような仕組みが働いていると考えています。

部下同志の関係性をトータルで観る

優れた集団も全員が成果を出すわけではありません。
組織は常に2:6:2と言いますが、出せない部下もいます。
しかし、リーダーは自慢話をします。

どうしてか?
それは2:6:2=1つの組織(生命体)と観る視点があるからだと思います。
具体的に言うと…
上位2割の部下は自分だけの力でやっているわけではありません。
仲間が縁の下の力持ちとなって支えているお陰で活躍できている、そんなケースが多い。
部下を個々で見るとそうした作用は見逃してしまいます。
1人1人に完全体になって欲しいと思ってしまうからです。
しかし人は不完全ですので、その望みは叶いません。

個々には能力の長短があるが支え合うことで「集団として」完成を形成する、人の集団はそのようにできていると考えます。

その集団作用を観る…皆んなが何かしらの役割を演じている事が観えるから自慢できるのだと思います。

この視点がないとリーダーは部下を比べ、できない部下に苛立つようになります。
少し前に出版された本ですが、「EQリーダーシップ 成功する人の『こころの知能指数』の活かし方」という名著があります。
その中に「リーダーの感情が集団に伝染る」という事が書かれています。

リーダーが嘆いて不機嫌になっていると集団も不機嫌になり能力を発揮できません。

活躍している部下を起点に、その背景、全体を見て喜ぶことで集団が育っていく、そう考えています。

それでは今日も素敵な1日を!

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