社員が仕事から幸福を感じる会社が業績を上げる

消費の現場も働く現場も心の豊かさを求める時代になった

企業の業績を良くするためには、生活者にとってより魅力的な商品、サービスを開発することが大切です。
小売、サービス業は自ら作ることはできなくても価値を上手に伝えることです。

しかし、近年、その「価値」が変化してきていると思います。
以前は、価値はスペックで表現できました。
電化製品も自動車もそう。
昔、モノがない時代に数々の優れたメーカーが誕生し、その直後に流通システムが発達し大量生産、大量消費の時代が到来しました。
生活者はよりよいモノを求め買い替えを行いました。
より良いモノとはスペックが良いものです。

総務省の統計「国民生活に関する世論調査」によると、モノの豊かさと心の豊かさ、どちらを重視するか?という問いに、1980代半ばに両者が拮抗しています。
その後、どんどんと心の豊かさを重視する傾向が強まっています。

その間、スペックは日進月歩で良くなり、ついに「使い方が分からない」と言った高度な製品も多く登場しました。
「そんなに高品質じゃなくても…」という生活者も増えてきました。
高スペック=良い商品、という構図が崩れつつあると思います。

今、時代はスペックで評価できない価値が重要視されています。
自分の生活シーンにおいて、より自分を心地よくしてくれるものを求めているように思えます。
モノの軸からユーザー(人間)の軸に移り変わっている。
例えば、GoProはあえて機能を省き、特定の用途に限定してヒットしました。

この傾向は消費の現場だけでなく、働く現場でも起きていると考えます。
そして、心の豊かさを実感できる職場で、生活者にとって心の豊かさを実現する価値が創造されると。

キーワードは社員の幸福度

最近になり社員の幸福度という指標が注目されています。
これも単純にスペックで評価できるものではないと思います。
しかし大まかな傾向性はあります。

神戸大学と同志社大学が行った2万人に対する調査「幸福感と自己決定」の結果、所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていることを明らかにしました。

自分で決められる項目が多い方が幸福が得られるという事ですが、これは職場でも同じことが言えると考えます。

自己決定できると仕事を創造することができます。
誰かが決めたシステムに従うのではなくシステムを創ることができる、これは「愉しい」世界です。
※楽しいよりも愉しいの方がディープ、そんなニュアンスです。

さらに幸福度と生産性に関する研究もなされています。
カリフォルニア州立大学・リュボミアスキー教授の調査によれば、幸福度の高い従業員はそうでない従業員に比べ、生産性が30%、営業成績が37%、創造性に至っては3倍も高いという結果が得られたと言います。

この研究のポイントは創造性に与える影響です。
どうやって調べたか気になりますが、3倍ですからね。

これが定量化できない生活者の「心の豊かさ」を創造する源泉だと考えています。

僕はホワイト企業大賞の企画、審査委員をやっていますが、受賞する企業はまさに社員さんの幸福度が高い傾向があり、同時にイノベーティブな仕事をされています。
相関関係があるのは間違いありません。

自己決定は幸福度を上げる。
幸福度は創造性を上げる。
創造性は企業価値を高める。

マネジメントに革命を起こす時期に差し掛かってきていると思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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