正解がなく変化が激しい時代における中間管理職の役割とは?

上司の役割は、自ら変化を生み出せる集団を育てること

ある程度、大きな組織になるとマネージャー(中間管理職)の力量が組織活性化の鍵を握ります。
今の時代、マネージャーは本当に苦労していると思います。
部門の結果責任を抱えていますが、マネージャー本人にも何が正解か分からないのですから。
仮に正解を知っていたとしても、それを部下に伝え、自分事にしてもらうことは並大抵の事ではありません。
変化が激しい時代には朝令暮改は当たり前、しかし、それをマネージャーが1人でやっていたら部下から「また違うことを言い出した〜」と言われます。

僕は、今の時代におけるマネージャーの役割をこう考えています。

「自分たちで変化をつくり出し、集団の知恵と共創で成果を上げるチームを育てること」

最近、マネージャーを対象にした研修の依頼が増えてきました。
店長、営業所長、部門長などです。
ニーズは自分のチームで指示ゼロ経営を実現するということです。

指示ゼロマネージャー養成研修ですが、裏の名称があります。
「名ばかりマネージャー養成研修」です(笑)

マネージャーがいちいち指示しなくても、自分たちで課題を見つけ知恵を出し合い、役割を決め行動し続けられるチームを育てたら、周りから見たら名ばかりに見えるからです。

では、指示ゼロマネージャーにはどんな力が求められるのでしょうか?

一番は「イノベーターの心に響く、チームのビジョン、思いを語る力」です。
次に、「喜ぶ力、感謝する力」です。

優れたマネージャーは部下と情動で対話ができる

人の集団は一気に、全員が同時に動くことは稀です。
緊急事態を除き、ある法則に則ります。

まずは集団内に2.5%いると言われるイノベーターが動きます。
次に、13.5%のアーリーアダプターが動きます。
合わせて16%の人種は、良い意味でアホな人たちです。
スマホで言えば、iPhone3Gか4の時代に買った人たちです。

その後にマジョリティ(多数派)に伝播しますが、多数派は現実的な判断をします。
安全か?確かなものか?
スマホの例で言えば、ユーザーの友人に「それ、不具合ない?」と聞き、安全が確認されて初めて買う人達です。
利口な人種は全体の70%ほどいます。
多数派に伝播するとムーブメントが発生し、集団は1つの方向に向かい一気に動き出します。
頭の良い人が参戦するので、仕組み化やマネジメントが確立し仕事が上手に進むようになります。

さて、このムーブメントですが、何をもってしてもイノベーターが動かなければ始まりません。

だからマネージャーには、心震えるようなチームのビジョンを持ち伝える力が求められるというわけです。

しかし、これが苦手な人が多いのが事実です。
私たちは、物事を論理的に説明するのは得意です。
論理は脳の領域で言えば大脳新皮質が司っています。(一番外側の脳)

その一層内側に大脳辺縁系という情動やモチベーションを司る領域があります。
ここは言語や計算などの論理は理解できません。

正しい理屈ではイノベーターは動かない。
優れたマネージャーは部下の辺縁系に直接、メッセージを伝える力を持っています。
その極意は、伝えているマネージャー自身の辺縁系が活性化していることです。

同時に、マネージャーは部下の行動に心から感謝し気持ちを伝えることです。
上司が喜び感謝する姿を見た他の部下(マジョリティ)に行動が伝播するからです。

イノベーターの心に響く、思いやビジョンを語る力。
喜ぶ力、感謝する力。

指示ゼロマネージャーにとって必須の力だと思います。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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