個々の部下を育ててもチームは育たない。チームを育てるという発想

個々の社員はそこそこなのにチームが育たないことがあります。
連携が取れない、助け合わない、学び合わない…要するにチームワークができていない状態です。

そうなる原因は取りも直さず「チームを育てていないから」という事が多いと考えています。

個々を育てるのとチームを育てるのは本質的に違います。
個々を育ててもチームとして育つかといえば、別問題です。

今日は、チームを育てために必要なステップを書きたいと思います。

まずはリーダーが手取り足取り教える

部下に、誰一人としてスキルを持っていない場合、リーダーが直接教えることが大切です。
この状態では任せられません。
部下は、自分の能力以上の仕事を任されストレスになりますし、リーダーは不甲斐ない部下を見てストレスになります。
誰も得をしない。

よく「部下の主体性を育てるためには自分で考えさせる」と言いますが、それはある程度の能力がある場合に限られます。

まずは手取り足取り教えるわけです。
ただし、リーダーが教えるのは「自分以外に誰一人としてスキルを持っていない場合」のみです。
メンバーの中に熟達者がいる場合、その人が先生になります。
ここで交流するから人間関係がつくられチームになっていくのです。
早い段位で学び合うチームにすることが大切だと考えています。

リーダーが集団に課題を与え、自分も集団の中に入って一緒に考える

学び合う風土ができたら、次は、リーダーは集団と関わるようにします。
個々に課題を出すのではなく集団に出す。
個々に指示を出すのではなく集団に出す。
個々に注意を与えずに集団を注意する。

リーダーが集団に課題を与え、自分も集団の中に入って一緒に考えます。
この段階での注意点は、集団の中に入ったは良いが気づけばリーダー1人が喋っていたということにならないようにすることだと思います。

課題を与え、考え方を提示し、ヒントを出す…コーチの役割です。

リーダーが集団に課題を与え集団の中にいるが喋らない

次の段階はリーダーが集団に課題を与え、リーダーも集団の中にいますが、喋らない段階です。
居るだけ。

この段階に突入した集団のリーダーは非常に滑稽です。
録音すると分かりますが、リーダーが発する言葉は「は〜」「ひ〜」「ふ〜」「へ〜」「ほ〜」がメインになります(笑)

上司主導(課題はリーダーが与える)−部下主体(進行は部下)

こうなるとリーダーは驚く、感心するだけの簡単な仕事になります(笑)

一見、楽そうに見えますが、やってみると結構、苦しいです。
リーダーのエゴが邪魔し自分を誇示したくなるからです。
ここで仕切ってしまうと集団の成長は後退してしまいます。

チームが自分たちで課題設定できる

次が最終段階です。
これまではリーダーが課題を与えていましたが、部下が課題を設定できる段階です。
自分たちで課題を見つけ→自分たちで知恵を出し→自分たちで役割を決め行動できるチームです。

この段階に達したリーダーだけが「いなくても大丈夫」になります。
ここまでのステップを飛び越すと、リーダーがいなくなった途端にチームがおかしくなります。
よく、成功した社長が講演の依頼を受けて全国を飛び回っていると会社がおかしくなったという話を聞きますよね?

その事例を見て「やっぱ社長は現場にいるべきだ」なんて言う人がいますが、それは違うと考えています。
離れてはいけない段階で離れてしまった…自分がいるから事業が上手くいくという段階で離れたことが原因です。

1、手取り足取り教える
2、仲間同士で教え合う、学び合う
3、リーダーが課題を与え一緒に考える
4、リーダーが課題を与えるが教えない、喋らない
5、チームが自分たちで課題を見つけ知恵を出し役割を決め行動できる

こんなステップで集団は育っていきます。

最終段階までには結構な時間がかかりますので、根気よくね!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください。

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