混乱を避ける企業に知恵は出せない。真の共創について考えてみた

時代は「競争」から「共創」に移り変わっている…そんな言葉を頻繁に聞くようになりました。
でも、言葉だけがひとり歩きしているような感じを受けます。
もっと言えば、キレイゴトに聞こえてしまうのは僕だけでしょうか?

「みんな違ってみんな良い」「手を取り合って」「オンリーワンにならなくていい」

確かにその通りだと思う。
でも、聞こえの良い部分だけで真の共創はできない、僕はそう考えていますし、実体験もあります。

今日の記事は、なぜ今の時代に共創が求められるのか?
共創をキレイゴトで終わらせずに、ちゃんと結果を出すためには何が必要か?

そんなことを真面目に、本音で書きたいと思います。

なぜ今の時代に共創が求められるのか?

そもそもなぜ今の時代に共創が求められるのか?
僕は2つの理由があると考えています。
まずは、知恵の経営が求められるからだと。
もう1つは変化が激しい時代だから。

ちょっと前に「VUCA」という言葉が登場しました。
何が正解か誰にも分からない、変化が激しく予測不能…今の時代を象徴する言葉だと思います。
これは会社全体でもチーム(部署)単位でも言えることだと考えています。

例えば、ある小売店では、日々、顧客の動き、商品の売れ行きを可視化しています。
オススメ商品を陳列した瞬間から「動き」を見ます。
もし、売れていないことが分かると、メンバーがさっと集まりワイガヤ、本音の話し合いが始まり、あっという間に改善策を出し、実行し、再び変化をチェックします。

これをトップダウンでやったら対応が遅くなるし、リーダー1人の知恵では限界があります。

「三人寄れば文殊の知恵」を素早く生み出す…これが共創の特徴の1つです。

しかし、多くの組織で共創と言いながら、角が立たない馴れ合いになっている事が多いと感じています。
波風が立たない、無難な議論しかできず中途半端な知恵しか出ない。

共創のあり方が間違っている。

共創とは、「成果を出すために全員が真剣に行動した結果、立ち現れる集団の様式」だと僕は定義しています。

「共創は結果」であり、最初から目指すと馴れ合いに陥ると考えるのです。

では、どんな在り方が求められるのでしょうか?

この3つの段階を経て共創は起きる

チームで良い知恵を出すためには、一時的な混乱が必要です。
その理由は、良い知恵は多様で多数の意見、アイデアがぶつかり合って生まれるからです。

1、多様で多数の意見、アイデアが話し合いのテーブル上に出る。
2、出た意見、アイデアを体系化し解決の方向性を定め、深める
3、全員による合意確認を行う

単純化していますが、この3つのステップが欠かせないと考えます。

1の段階では多様な意見が出るゆえに混乱しますし、時に衝突も起こります。
「出し尽くす」ことが大切。
このプロセスを避けると「集団バカ」に陥ります。

□自分はできたから良いや、と全体に関心がない人が多い。
□波風が立たないように無難なことしか言わない。
□違うと思っても発言をしない。
□一部の人だけが発言をして、まわりが傍観者になっている。

きっと衝突も少なく和気あいあいとしているでしょうが、強いチームにはなりませんし、共創とは言えない状態です。

共創状態の前には「いったん落ちる」これが原則だと考えています。
図にするとこんな感じです。

以前に、とある企業さんで研修を行い、自社の課題を話し合っていただきました。
最初は、みんながみんなの目を気にしてダンマリを決め込む人が多かった。
しばらくすると、ある社員さんが口火を切りました。
それに刺激され発言する人が、1人2人と増えていきました。
次に、ある人が、発言をしない仲間に「○○さん、何かないですか?」と振った。
多くの人の意見、アイデアがテーブル上に集まった。
すると、「私は違う考えだ」と言う人が出た。

ここで混乱状態に突入しました。
少し緊張した空気が流れました。

しばらく混乱した後に、出た意見に対し、「なぜそう思ったのか?」と理由を尋ねる人が出ました。
理由を聞くと、意見、アイデアがまとまっていきます。
最終的には「会社を良くするため」に収束します。

ここから混乱状態が共創状態に変容しました。
1つ、有効なアイデア(プロトタイプ)出ると、一気に空気が変わった。
10分ほどで素晴らしいアイデアが生まれました。

しかも、それは全員が参画して生み出したアイデアですので、いざ実行の段階になった時に、みんなが自分事と捉え主体的に行動するでしょう。

印象的だったのは、その意見を、みんなが「我々の策」と呼んでいたことです。

僕はこれを「我々化」と名付けています。

共創とは平穏で波風が立たない状態ではない。
混乱から生まれる、強くたくましく、そして愛ある組織の様式だと思っています。

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明日は、共創のもう1つの側面「全体の最適化」について書きますので、明日の記事もチェックしてね!

それでは今日も素敵な1日をお過ごしください!

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