商売は、いよいよ目に観えない領域の勝負になってきた

今は生活者も自分が欲しい物に気付いていない

経営はいよいよ「目に観えない領域」での勝負になってきている、本当にそう感じています。
目に見える世界とは数値化できる領域です。
決算書、製品のスペックなど。
これらをキチンと読み解く力は必須ですが、これだけでは成り立たなくなってきている、そう思うのです。

例えば、消費の世界では、以前はより豊富な品揃えでより安くという時代がありました。
これはライバル店と数値で簡単に比較できますよね?
これが客観的に比較できないフェーズに入ってきています。

例えば、数年前に知り合いが飲食店を起業しました。
起業を決断してからオープンまで、本当に悩み考えたそうです。
スペック(品揃えと価格)の勝負では大手には敵いませんから、別の価値で勝負しなければならない。
しかし、それが何であるか分からないのです。

オーナーは生活者にも聞きました。
「どんなレストランが欲しい?」と。
しかし返ってくるのは、「いい感じのメニューがある店」「女子にとって嬉しい店」といった抽象的な答えばかりでした。
これが以前であれば、もう少し具体的に言えたと思います。
都会で経験したレストランを例えに出し、メニューや内装について言えたと思います。

今はそれらが出尽くした感があります。
単純にマネができない。
オーナーの思想がメニューにも接客にも内装にも外装にも価格にも反映された独自の世界観が求められます。
とても抽象的な価値になってきており、だからこそ成熟社会なのだと思います。

目に観えない、数値化できない価値…これを生み出す力が今、求められています。

ちなみに、そのレストランができた時に、お客様は「こういう店が欲しかった」と言ったそうです。
お客様も正解が分からないってことですね。

中長期に渡り、個人が収集した情報を活用し合い価値創造を行う

件のオーナーの凄いところは、オープンして完成形ではなく常に価値の更新を続けているところです。
生活者の好みが変化するからです。
それを可能にしているのが、「ゆとり」と「対話」だと僕は考えています。
お客様やスタッフと交流し、常に「いい感じ」を更新しています。
確実に更新するために「三人寄れば文殊の知恵」を活性化しているのです。

三人寄れば文殊の知恵は現在のところAIが苦手な分野だと言われています。
上越教育大学の西川純教授は、このことを「中長期に渡り、個人が収集した情報を活用し合い価値創造を行う」と表現しています。
ビックデータにはない、極めてクローズドな情報を集め、創発(ワイガヤ)を行うことです。

価値の更新を行うために、企業はこれまでの慣習を変えなければいけないと考えています。

創発はトップダウンとは相性が悪く、最適な時に最適な仲間と自発的に行うことで実現します。
トップや上司が仕切っている職場では起こらない。
「自分たちで課題を発見し、知恵を出し合い行動する」…この繰り返しをどれだけできるかが成功の鍵を握りますからね。
勿論、トップがいないと進まない案件もありますが、現場レベルでできることは自律的に解決できる文化が欠かせません。

また、僕の親友が勤める会社は副業が認められています。
条件はありますが、相当に自由にやっていて、下手な経営者よりも自由なんじゃないかと思います。

これも三人寄れば文殊の知恵に好影響を与えると思います。
なんせ、「中長期に渡り、個人が収集した情報を活用し合い価値創造を行う」が原則ですから、メンバー各々がどれだけ多様な情報を持ち寄れるか、が肝になります。

飲食店のオーナーは、それを自社内だけでやるのは限界だと思ったから、お客様との交流をしているのだと思います。

副業でなくとも、プライベートを充実させることも同じ効果があると思います。
仕事で疲れて、自宅はメシ&寝るだけの場所、休日は寝て過ごす、では創造的な人間になれませんよね。

生活者が求める「目に観えない価値」が創造できるのは、それを日常的に体験している人です。

色んな体験、知識をスタッフが得られる環境づくりが大切だと思うのです。

それでは今日も素敵な1日をお過ごし下さい!

ワクワクすることに積極的なあなたが大好きです!


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