怒っている社長は実は怖がっている。怖がっている自分を許してあげよう

会社員をやっている友人から、彼の会社の社長の話をよく聞きます。
今どき、そんな社長がいるの?というくらいの独裁ぶりです。聞いていて不愉快になることもありますが、指示ゼロ経営の研究対象としては重宝します。

朝礼では「お前らはダメだ」という説教が1時間も続くそうですが、これを他人事にすると危険です。
こうした心情は誰の心にも潜むものだからです。
そう、僕にもあなたにも。

今日は、潜んでいるものが表面化しないようにするにはどうすれば良いか?…そんなことを考えたいと思います。

社員に説教ばかりする社長は、実は心が恐れでいっぱいになっている

まずは、その社長の心を覗いてみたいと思います。
社長は、毎朝、朝礼で説教をします。さんざん説教をした後に、「お前ら、本当は(説教が終わって)ホッとしてるんだろ?」と言うそうです。

また、いつも社員同士を比較するそうです。比較対象となる社員がいない場合は、自分と比較するそうです。
「オレは昔、こんなに苦労をした、なのにオマエは…」と。

と、まあ、教科書通りの独裁ぶりですが、僕には社長の気持ちが痛いほど分かります。
本当は孤独なんだよね。
本当は社員が育つと怖いんだよね。自分の存在が脅かされるから。

何で僕が社長の気持ちを分かるかと言えば、僕にもそういう心があるからです。
その社長と僕だけではない、人類が持っている闇だと思います。それが表面化するかしないかの違いだけです。
リーダーという立場は、それが表面化しやすいのです。

経営者には自我が発達した(強い)人が多いです。
自我の発達には段階があります。初期自我→中期自我→後期自我→成熟した自我と、段階を踏んで発達していくと言われています。
会社員には中期自我が多いと言われています。良く言えば従順、悪い意味では依存をしています。後期自我は、戦うエネルギー満載、武装している心理ステージで、他者との比較、争いを好みます。
これは、別に相手を傷つけたいと思っているのではなく、自分の自我を守るのに必死なのです。
件の社長は後期自我、真っ盛りなのだと思います。
自分を保つためには「ダメなコイツら」の存在が必要、自分が一番頂点にいて、社員を階層化することで安心するのだと。

友人は成熟した自我の段階に入っています。だから、後期自我の社長に悩みつつ、戦うことはしません。

バカは死んで治すか、自覚して治すか?

リーダーが後期自我の段階に入ると、組織内から比較、争いが減ります。
「自分 対 相手」という構図が薄れ全体が統合へと向かいます。
この環境では社員は自由闊達に発言&行動しますし、仲間との協働も活発になります。
リーダー1人の限界を超えた力を発揮するのです。

では、どうすれば後期自我に入れるのか?という話になります。
僕は専門家ではありませんが、自分の経験、そして色んな社長を見てきて、2つの方法があると考えています。

1つは「バカは死ななきゃ治らない」…つまり擬似的に死ぬことだと考えています。
仕事や家庭内での失敗を、大病を患ったりと、その形は様々ですが、自分の無力を思い知った時に自我が崩れ成熟するのだと思います。
ちなみに僕は、現在、後期自我と成熟した自我を行ったり来たりしていますが、少しは成長したと思っています。
キッカケは事業での失敗でした。
15年ほど前に、完全に自信喪失するような失敗をした時に「自分1人の力で会社を成長させることができない」と解った時が転機でした。
挫折を機にステージアップを果たした人は結構、多いと思います。

もう1つの方法は、バカを自覚することだと思います。
行動の背景にあるモヤモヤした思い、その正体を知ることだと。
内観ね。
社員を説教する本当の理由は、社員を育てたいのではなく、自分を誇示したいという気持ちがあることを自覚することだと思います。
自覚すると、エゴに取り憑かれなくなります。「ああ、アイツ(エゴ)がまたムクムクと起きてきたな」と冷静に観ることができると思います。

指示ゼロ経営は集団活動の妙です。
集団には課題解決に向かい自律的に動く力が備わっています。だから見守ることが何よりも大切になりますが、それを邪魔するのがリーダーです。

リーダーだって辛く大変なのです。
心の中に起きた葛藤を、自分で許してあげて欲しいと思います。
武装した心が穏やかになるはずだから。

それでは今日も素敵な1日をお過ごしくださいね。

 


【現在受付中のセミナー】

■指示待ち社員が自ら動く社員に変わる 指示ゼロ経営ベーシックセミナー
共有された目標に向かい、社員さんが自分たちで課題を見つけ考え協働し成果を創る。
自律型組織を実際に体験しながら、その構築法を学ぶセミナーです。

・2019年2月15日(金)大阪開催

・2019年2月20(水)東京開催


■「組織の創造性と自律性が高まる賃金・賞与の決め方セミナーin諏訪」
ワークを通じて、賃金が増えた喜びや、評価に納得しないといった体験をしながら最適な賃金制度を学ぶセミナーです。
昇給や賞与を計算するデータ資料が参加特典でつきます。
・2019年1月23日(水) 諏訪開催 (諏訪商工会議所主催)

■描いた未来が現実になる!TOC &指示ゼロ経営式ビジョンデザイン研修
社長が望むだけでなく、社員さんも顧客も社会も望む、そんなビジョンを描くことが成功の要諦です。
自発性の欠如、離職率の高さ、売上不振…こうした問題の根本原因は、魅力的なビジョンがないことかもしれません。
魅力的なビジョンは、理性と感性の両方を併せ持つ!社員さんが参画するから実現する!
・2019年2月9日~10日開催

 

 

The following two tabs change content below.
米澤 晋也

米澤 晋也

1971年長野県生まれ。有限会社共和堂代表取締役
指示・命令をしなくても自ら考え行動する社員を育て、社長が掲げるビジョンに向かい1つになる組織を創る方法論「指示ゼロ経営」の実践組織Tao&Knowledgeを主宰する。
1人1人が自由に行動し、創造性を発揮しながらも調和する、Jazzのジャムセッションのような組織です。
特に2代目、3代目経営者が自分の組織を創るための実務を得意としています。

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket