悪い出来事を「成長の節目」に変える思考法

人生の達人がよく使う言葉に「今はそういう時」というものがあります。
例えば、ある社長は、社員の離職が相次いだ時にこの言葉を口にしました。また、ある人は、失敗が続いた時に言いました。
きっと、あなたも、どこかでこの言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

人生の達人たちは、この言葉を、どちらかというとあまり良くない出来事が起きた時に使いますが、これが重要なポイントだと考えています。
というのも、物事の節目では、これまでの習慣や考え方が通用しなくなります。ここで、習慣や考え方をリニューアルすれば、新しい成長フェーズに入ることができます。逆に、変われないと淘汰されることになります。
だから、節目で、トラブルや不具合が起きるのです。

人生の達人は、それを受け入れ、節目に変える視点を持っているのです。だから「今はそういう時」という言葉が出るのだと思います。

以前に、ある企業が創業50年を迎え、記念式典で講演をさせていただきました。
式典の冒頭、創業者が挨拶をされ、その中で、趣味の竹を使ったアートを紹介し、次のように述べました。

「竹は節ができるたびに強くなります。それは企業も同じ。50年間で色んな節目を経験したが、みなさんと一緒に乗り越えて我が社は強くなりました」

まさに、システム変容の本質を大局的に捉えた言葉だと心から感心しました。

節目を捉えるためには、物語を紡ぐ力が求められます。
「今起きていることは、将来のために必要なこと」と、今と未来を紡ぐ物語を描けた時に、出来事を節目と捉えることができます。

そして、物語を紡ぐためには「物語のパターン」を知ることが大切だと思います。
その知見は数多くありますが、最も汎用性が高い1つとして「ライフサイクル曲線」があります。

これは、導入期→成長期→成熟期→衰退期からなる栄枯盛衰のモデルです。それぞれ次のような特徴があります。

□導入期
新商品・新サービスが市場に出たばかり 認知が低く、売上はまだ少ない。

□成長期
市場に受け入れられ売上が急拡大 競合が増える。コストが下がり利益が出やすくなる。ブランド構築・差別化が重要になる。

□成熟期
市場が飽和し成長が鈍化。製品の差が小さくなり価格競争が激化。維持コストとブランド力が勝負のカギを握る。

□衰退期
需要が減少し、売上・利益が落ち込む 撤退や事業転換を検討する企業が増える。一部はニッチ市場に絞って生き残る。

このように、成長過程にはシーズンがあるわけですが、その節目で問題が起きるのです。
例えば、社員の体調不良が相次ぐのは、成長期から成熟期に入る頃です。ここではブレーキをかけ、成熟期の緩やかなカーブに備えるべきですが、ここで減速せずに無理をしてしまうからです。

僕の先輩に、業績好調なのにやたらと節約する社長がいました。
飲み会の後もタクシーを使わず電車で帰るのですが、その理由を聞くと「今はそういう時」とのこと。
詳しく聞くと、好調の後は衰退期が来る、つまり成熟期→衰退期のカーブを捉えていたのです。
先輩は、成熟期のうちに、次の「飯の種」を構想し、土壌を耕すために原資を確保しようとしていたのです。
普通、好調な時に金を使ってしまいますよね。

成長曲線はデータで解析しやすいので、是非、節目判定にお役立てください。

今日は、成長カーブをもとに「今はそういう時」を考えましたが、他にも判断基準があります。
それは、また別の機会に紹介したいと思います。 

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