週15時間労働になるという、かの経済学者の予言はなぜ外れたのか?
経済学者、ケインズは、100年前ほどにこんな予言を残しています。
「100年後は、労働時間が週に15時間ほどになるだろう」
生産効率が良くなるというのが論拠ですが、予言は大外れし、労働時間は減らないどころか増えてしまいました。
生産効率も事務効率も飛躍的に向上したにも関わらずです。
私たちは日頃、何をしているのでしょうか。
一つに、労働時間に縛られているということがあります。一日の労働時間を8時間としたのは、人の生活は「労働」「プライベート」「睡眠」で成り立っており、重要性に優劣が付けられないので三分割したという説があります。
固定給制の場合、経営者は、仕事がなくても所定時間、社員を拘束します。
すると、仕事は拘束時間を満たすまで増え続けるんですね。
これをパーキンソンの法則と言いますが、やることがなくても自ら進んで仕事を作り出してしまうのです。
しかし、そこで開発された仕事の多くは付加価値を生むものではありません。
技術が進歩したのに労働時間が減らない、もう一つの理由は「成長に追われる」という資本主義の定めにあると考えます。
25年ほど前から「モノが売れない時代になった」と言われるようになりましたが、実は、この傾向は、すでに1960年代に始まっています。
GDPの「伸び率」は1960年代をピークに下がり続けているというのが先進国のトレンドです。
要するに、モノに満たされたために経済成長が鈍化しているのです。
当時に比べ、生産技術も事務効率も飛躍的に向上しましたが、モノの飽和には抗えないのです。
加え、日本は人口減少期に入りました。
しかし、これは資本主義にとっては不都合なことなのです。なぜなら、資本主義は「成長率」が生命線だからです。
伸びる土壌でないのに、数値目標を上書きしていけば、「仕事を増やすための仕事」が増え、労働時間は増えるに決まっています。
無理をすれば、働く人の心身は蝕まれ、すぐに企業はブラック化するでしょう。
では、量を追う働き方から抜け出し、質を高める経営はどのように実践されているのでしょうか。そのヒントを、Googleや3Mに見ることができます。
大企業の話でしょう?と思われるかも知れませんが、僕は、むしろ小さな会社にこそマッチしていると考えています。
両社は、勤務時間の20%ほどを通常業務以外のことに自由に使える制度があり、数々の付加価値の高い商品・サービスが、この時間により誕生しています。
量を追うのではなく「質」に転換する明確な意図があり、そのために「ゆとり時間」を作ったという構図になっているわけです。
現在、日本に限らず、先進諸国には、社会が成熟したのに量に依存する働き方が横行し、それにより苦しむ人が増えているという問題があります。
しかし、働き方改革の議論は、相変わらず労働の「量」に偏っており、「質」に関する議論が抜け落ちていると感じています。
上場企業では株主の圧力があるため難しいと思いますが、非上場企業であれば、工夫次第では自分のペースで経営をすることができます。
量的成長を前提とした経営観から、質的成長を前提とした経営観への転換へ。
人が持つ創造性や人間性が発揮される環境を整えることが、これからの経営課題になうことは間違いないと考えますが、いかがでしょうか。
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