「ずっと続けてきたこと」を食材に美味しいビジネスをつくる

僕はよく、企業の組織づくりを料理で例えます。
大企業は「今夜はカレー」と決めてから材料を集めることができます。「戦略ありきで、そのために必要な人材を採用する」ということです。
しかし中小企業はそうはいかず、冷蔵庫を開けて、今ある食材(人財)でオリジナルカレーを作る発想が求められます。

今日の記事では、一歩踏み込んでオリジナルカレーのつくり方…「交差点をつくる」という1つの方法を取り上げます。
交差点とは、ある人が歩いてきた道と、別の人が歩いてきた道が交差するポイントを指します。

分かりづらいと思うので、事例を紹介しますね。
例えば、ディズニーは、創作の道を歩んできたウォルト・ディズニーと、財務や戦略を学び、ビジネス畑を歩んできたロイ・ディズニーが協働で起業しています。

ポール・マッカートニーは天才的なメロディーメーカーですが、少し毒っぽさが足りません。そこにカウンターカルチャーの毒を差し込んだのがジョン・レノンです。

僕の若い友人に障がいを持つ青年がいます。
彼は、生まれてからずっと障がい者の道を歩んできたのですが、将来は教育の道に進もうとしています。
これから、インクルーシブ教育(障害の有無などに関わらず、すべての子どもが同じ教室で、多様性を尊重し合いながら学ぶ教育)の必要性が高まりますが、その時に、障がい者の道と教育者の道の「交差点」が価値になると考えているのです。
彼の場合は、自分自身の中に交差点を見出そうとしていますが、これも立派な交差点戦略ですね。

先日、親友が講師を務める大学で「交差点ワーク」を行いました。
学生1人1人に、これまで自分が歩んできた道をパネルに書いてもらい、パネルを持って教室を歩き回り、交差点を作れそうなパートナーを見つけ、独自の価値をつくるというワークです。

これがすごく面白くて、交差点をつくることが必須なので、思考が従来の枠を超え、これまでにない新しいビジネスアイデアが次々と生まれるのです。

僕が経営してきた新聞店では、個人が歩んできた道をプロジェクトに絡めるという方法をとってきました。
若手女性スタッフ(Mさん)の事例を紹介しますね。
Mさんは、高校卒業後、美術系の学校に進学したかったのですが、家庭の都合でそれが叶いませんでした。
落ち込む彼女に、当社で働くことを勧めたのは、彼女の祖母でした。お祖母様は、以前から、当社の「個が活きる経営」という理念に共感してくださっていたのです。

ある日、営業部で新聞営業の会議を行っていました。
営業の対象が若年層ということで、絵を散りばめたチラシを作りたいという話になったのですが、絵が描ける人がいないんですよね。
「お金はかかるが外注するか」と決めようとした時に、僕はMさんの採用面接時に、彼女が、自身の作品を持参したことを思い出しました。

「Mさんならやってくれるかも」

早速、相談したところ二つ返事でOK。

これまで自分が歩んできた道が、仕事を通じ誰かの役に立つことは、幸福な人生に直結します。
そして、傍らしい創造性を発揮しますので、事業成長のエンジンになるのです。

人と人を、人とプロジェクトをどう交差させるか?…そんな視点でデザインをしてみると、新しい世界が拓けるかもしれません。
 

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