短期の「損」が長期の「得」に変わるプロセス設計
2025年の末に、ハローワークの職員が、別人(架空の求職者)になりすまし、企業の採用面接を受けたとして戒告処分になりました。
「なぜそんなことを?」という感じですが、実は、背景に厳しいノルマがあったようです。調べてみると、なんと全国のハローワークの9割で、数値目標が設定されていることが明らかになりました。
ハローワークにノルマがあることに驚きましたが、同時に「さもありなん」という実感を得ました。
というもの、それが最も手軽な「誰が管理職になっても一定の成果が出るマネジメント」だからです。ハローワークの多くは、数年で所長が変わりますので、所長の能力に依存していては安定した運営は難しい。
そういう組織では、数値で縛るマネジメントがはびこりやすいのです。
数値で管理すると、数字合わせに意識が偏り、個人の利益と組織の利益の相反が起こります。
測りすぎると組織はバカになるのです。
↓このことに関してはこの記事を参考にしてください。
測りすぎると組織はバカになる
要するに、目先の数値に意識が奪われ、部分最適に陥り、全体では損をするという話です。
例えば、医療界で実際にあった話として、外科医の評価に「手術の成功率」を加えたところ、難易度の高いオペをする医師が減ったという話があります。
製造業でよくある測定執着は原価計算です。
製品あたりの原価低減を目標にすると、当然、たくさん作るようになります。それが過剰在庫を生み、実態とはかけ離れた決算が出来上がることになります。
測定執着は、まさに「木を見て森を見ず」の元凶です。
手っ取り早い施策は大抵、中長期的には損をします。逆に、中長期で得をすることは、短期では損をすることが多いもの。
商いの伝統に「先義後利」という考え方があります。文字どおり「義」を優先することで後から「利」が生まれるというものです。
もともとは儒学の教えですが、日本においては、その昔、越中売薬がこの思想に基づき「先に一通りの薬を預けておき、次に訪問した時に、使用した分の代金だけをいただく」という画期的なサービスを開発し、大きな利を得ました。
マネジメントでは、安直な数値押し付けではなく「プロセス設計」が求められることは言うまでもありません。
しかも、それは、顧客のお役に立ち、選ばれ続けるという設計図です。
現代人はモノに満たされて「買わない」という選択肢を持っています。
以前であれば「買う」が前提だったので、押しの強い企業から買うことが多かった。でも、今は、本当に自分のことを考えてくれる会社を選びます。
プロセス設計とは、顧客の成功までのプロセスを組み立てることだと思うのです。
自分たちの都合ではなく、顧客の未来を本気で考えているか…その問いに、組織全体で向き合えるかどうかが、これからの経営を分けるのではないでしょうか。
※「記事が面白かった」という方は、是非「読者登録」を!
読者優先セミナーや無料相談など、登録者限定の秘匿情報が届きます。



