AIが知らない「未知の欲求」を探索する経営
買い物をする時やレストランを探す時に、何を参考にするでしょうか。
多くの人がGoogleなどの評価を見ると思いますが、これが可能になったのは、スマホの普及により「みんなの声」が可視化できるようになったからです。
今となっては当たり前のことですが、企業にとっては天変地異のような出来事でした。
それまでは、生活者は、主に企業が発信する広告を参考にしていました。だから、CMは貴重な情報源で、みんな注目して見ていました。
1980年代には「CM NOW」という、テレビCMを紹介する雑誌が売れていたくらいですからね。

時代が変わり、今は「金を払うからCMを消してくれ」という人が増え、もはや消費者は企業がコントロールできる存在ではなくなりました。
本当にいい仕事をする企業だけが選ばれるわけで、とても素晴らしいことだと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、最近、また新しい潮流が生まれているようです。
買い物の際に、AIに相談する人が増えているというのです。
例えば、「耐久性が高く、コンパクトな冷蔵庫はない?」などと、自分が求める機能や性能の条件を入れると、ポンと出してくれ、これがとても的を射ているのです。
欲しいものがある時は、とりあえずAIに聞いてみる。…これと同じことが、イオンなどの巨大モールでも起きています。
欲しいものがある時は、とりあえず行けば何でも売っているので、希望に適うものに出会うことができますからね。
しかし、イオンもうかうかしてはいられません。
これからは、店舗で実物に触れながら、その場でAIに相談し、ネットで注文をする人が増えるでしょう。
中小企業はどうでしょうか。
比較合戦は中小企業には不利なので、比較されない独自の領域で陣を取る企業が増えるでしょう。
それは真新しいことではなく、昔から身近にありました。
次の3要素を持つ企業です。
・顧客から好かれている。
・信頼されている。
・知らない世界を教えてくれる。
八ヶ岳の麓に「grow thick」という、薪ストーブを中心とした生活を提案するお店があります。
「薪ストーブを中心とした…」などと、回りくどい表記をしたのは「◯◯屋」とカテゴライズできないからです。
薪ストーブ関連のアイテムだけでなく、服や生活雑貨、食品、ギャッペまで売っています。
店主夫妻は、まさに自己表現として商いをされていて、とても好感を持てますし、信頼に値する技術と商品セレクトのセンスを持っています。
僕は妻としょっちゅう行くのですが、特に買うものがあるわけではなく、無目的で行くことがほとんどです。
しかし、毎回、必ず何かを買って帰るのです。
妻がよく口にする言葉が、この店の価値を表現しています。
「こういうのが欲しかったんだよね」
つまり、提案されるまで自分が欲しいものに気づいていないということ。
モノには満たされているが「まだ知らない欲しいもの」があるということ。
「信頼する大好きな人から、新しい世界を教えてもらう」…そんな、AIが教えてくれない領域こそ、中小企業の陣だと考えます。
そして、何よりも、そんな仕事ができること自体が、とても幸せなことで、そんな商いを次の世代に増やしていきたいと願うのです。
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