お客様は最高の「人材育成担当者」…顧客の声で社員を育てる
社員がよく育つ会社には「お客様が社員を育てる」という構図があります。
社内の人間と違い依存関係、甘えが許されないからだと思います。お客様に叱られ、お客様に励まされ、感謝されながら育っていく。
今日はそんな環境の整え方を考えたいと思います。
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まずはこんなエピソードから。
小売店を経営する友人の話。同店では、かつて社員の自発性は皆無で、いちいち指示をしないと仕事をしないという状態が続きました。
友人は、綺麗好きで、窓の汚れがとにかく気になります。社員にも「マメに窓を拭きなさい」と指示を出すのですが、社員は「今日は陳列業務で忙しい」などと、何かと言い訳をして行動しません。
そこで、友人は管理を細かくします。
「窓を拭け」といった漠然とした指示ではなく「今日はAさんはこの区画。Bさんはこの区画」と細かく分けて拭かせるようにしたのです。これだと流石にやらないわけにはいかず、社員は渋々やるようになりました。
いかがでしょうか。
ここまで読んで、ちょっと嫌な予感がしていることと思います。
いわゆる「マイクロマネジメント」は部下のヤル気と自発性を破壊すると、どの教科書にも書いてありますからね。
しかし、これが功を奏したのです。
みんなで手分けして窓拭きをするので、いつも窓はピカピカです。それをお客様が気づき「いつ来ても窓がピカピカですね」と褒めてくださいます。
すると、社員の中に湧き上がるようなモチベーションが生まれ、指示をされなくても自発的に窓拭きをするようになったのです。
しかも、漫然と拭くのではなく、創意工夫をするようになった。
人がモチベーションを維持するためにはフィードバックが必要です。
これを有効に活用してるのがゲームの世界です。
最近のゲームは、まずは無料でダウンロードして、ゲームが進むにつれ課金していく仕組みになっています。つまらなければ、すぐに削除されてしまいます。
そこで、ゲームを始めたらできるだけ早い段階で、アイテムを入手できたり、ミニボスを倒したりと「小さな成果」=フィードバックを得られるように設計するそうです。
ダイソンの工夫も素晴らしい。ダイソンの掃除機を使っている人はお気づきだと思いますが、ゴミが溜まるボックスがスケルトン(中身が見える)になっているんですよね。

ゴミが溜まるのを見える化することで「こんなにゴミがとれた」と掃除の成果を実感することができるというわけです。これもフィードバック効果と言えるでしょう。
僕が経営してきた新聞店では、毎月、手作り新聞を発行しているのですが、そこに、お客様の声を書いていただく欄を設けました。

お客様は社員の言動をよく見ているもので、社員名をあげ具体的なエピソードを書いてくれます。
それを「凄いね!」という言葉を添え社員に渡すだけでモチベーションを自家発電してくれるのです。
受け取る声が増えると、自ずと責任感が芽生えます。するとクレームの受け止め方も変わります。
声の中にはお叱りもあるのですが、社員は「これはまずい」と、責任をもって対応するようになります。
お客様は最高の「人材育成担当者」になるのです。
僕は、友人の話を聞くまで「やさられ」は絶対悪だと思っていましたが、考え方が変わりました。できるだけ早いフィードバックをいただけるのであれば有効ということなんですね。
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